「手の消毒荒れがつらい。手袋していてもボロボロ」
「消毒荒れつらいですよね。コロナで仕事以外にも消毒する機会が増え、夏場でも手が悲鳴をあげていました。クリームも塗りますが、結局手洗いと消毒で補修が追い付きません。手袋していても清潔なケアとそれ以外の切り替えでは必ず洗いますし、入浴介助の石鹸、お湯責めでトドメをさされています。人手不足も深刻。うちのショートステイでも正社員割合は半分以下、派遣さんは顔合わせて次の日にはいなくなっています。在宅介護の大変さもわかるので、家ですべてとはいいませんが、私たちも寄り添うので、ご家族もともに頑張っていただきたいです」
「コロナ禍の中でも職員は一生懸命に働いています。国が規模の小さい事業所でも運営できる制度にしないため、小規模なところが倒産するのは当然です。国はそれを望んでいるようにも思います。それと、介護職は人間性の高い人でなければ務まりません。テレビの無責任な報道だけを見て、給与が安いだの厳しいだの、汚いなどとマイナスなことばかりいうのをやめてもらいたい。私たちは皆、プライドを持って働いています」
また、こんな気疲れもあるようだ。
「薄給だけじゃない。介護職をやっていた友人たちは全員辞めた。休みが取れないだけじゃない。コロナのせいでふだんの生活から細心の注意をしないとならなくて、ろくに外出できない、彼氏に会いにもいけないと、かなりストレス溜まっていて、オンライン飲みしていてもかなりヤバそうだった」
親を介護施設に預けている人たちからはこんな意見があった。
「親がお世話になっていますが、介護士さんたちの仕事ぶりには本当に感謝しております。3年ほど前に入所した時は、ほぼ日本人の介護士さんたちでしたが、今はほぼ日本人の方がいない状況です。いったいどうなっていくのか。心配です」
「義母が認知症で介護施設に入所しています。気難しい人で介護士さんにはいつも申し訳なく思っています。高齢者施設でコロナのクラスターが発生したというニュースを聞きますが、もし万が一、義母がコロナに感染して亡くなったとしても、それは寿命だと覚悟しています。施設のせいや、まして介護士さんのせいにする気はないです。やり玉にあげられるのは、あまりにも気の毒です。介護施設が倒産なんて困る人がたくさん出てくると思います」
最後にこんな声を紹介したい。
「このコロナの中、母が晩秋から訪問看護と訪問リハビリを週1回ずつお世話になっております。訪問リハビリの理学療法士の若い男性が、利用者さんに『殴られたり、蹴られたりする事もあるんですよ』と笑顔で仰っていました。頭が下がります。感謝の思いしかありません。ありがとうございます。」
(福田和郎)