コロナ禍の集客力1位は「西武池袋本店」――。日経リサーチによる商業施設の利用実態調査「商圏センサス」の最新調査結果で、首都圏利用商業施設の集客力ランキングで首位になった。
日経リサーチは2020年12月3日、「商圏センサス」の首都圏版最新調査データの提供を開始した。調査は1年に春と秋の2回行われており、2013年春調査以降、今春まで15期連続で首位だった「伊勢丹新宿店」が2位に転落。西武池袋本店と順位が入れ替わった。
コロナ禍でも、そごう・西武2021年も1日に初売り
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で、4月から5月にかけて政府の緊急事態宣言により、百貨店や小売り大手は休業や営業自粛を余儀なくされていた。しかし、「西武池袋本店」をはじめとするそごう・西武各店は比較的早い時期に営業範囲の拡大を実施。西武池袋本店を含む関東エリア8店舗では緊急事態宣言下の5月23日に、時間を短縮して営業していた食料品売り場に加えて生活必需品の売り場の営業を再開した。
西武百貨店池袋本店では前年に比べ、練馬区など近隣からの来店が増えたほか、食品・惣菜を目当てに利用する人が増えた。
今年までは三が日に限っていたお正月の福袋の販売期間を、コロナ禍対策として今季は年末年始合わせて17日間に拡大。12月26日に発売することも発表。2021年の初売りも、三越伊勢丹や高島屋など多くの商業施設が1月2日からなのに対して、そごう・西武は1日から営業する。
トップ10にはほかに、テレワーク・巣ごもり需要拡大の影響で、家電量販店の「ヨドバシAkibaビル(マルチメディアAkiba)」(東京都千代田区)が5位、東京などからもクルマで日帰り可能な「御殿場プレミアムアウトレット」(静岡県御殿場市)が6位と、いずれも前年の10位以下から急上昇。また、居住エリアに近い「アトレ吉祥寺」(東京都武蔵野市)、「ラゾーナ川崎」(神奈川県川崎市)がトップ10にラインクインするなど、コロナ禍によるとみられる「居住者の来訪施設の選択の変化」がみられた。
なお、日経リサーチの商圏センサス首都圏版は、東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏1都3県に居住する約1万4000人を対象にした、商業施設の利用状況などに関する調査結果のデータベース。2020年秋の調査は、1都3県と同地域以外の大型アウトレットを含む約700の商業施設を対象に、9月に実施した。