「なんちゃってIT職場型」など企業を9つに類型
本書では、IT化の推進を標榜しながら機能不全となっている企業を9つに類型。「なんちゃってIT職場型」「低プレゼンス型」「レガシー製造業スタイル型」「コミュニケーション不全型」「エンゲージメント低下型」「マネジメント不全型」「事務作業パラダイス型」「お客様は神様型」「学習不全型」―― が、それだ。
「なんちゃってIT職場型」で、まず紹介されるのは「テレワークシステム」の販売会社。社内稟議ではワークフローシステムを使っているが、稟議書はプリントアウトされ上司にハンコをもらうことが必要プロセスであり、勤怠管理はタイムカードだ。
次は、クラウドサービスを提供しているIT企業。従業員が業務のあるシーンにクラウドの導入を提案したところ、「セキュリティに不安がある」ことを理由に上司が猛反発したという「ウソのようなホントの話」が引用されている。
「今や金融機関や官公庁、自治体でもクラウドサービスを利用し始めている時代だ。売り手であるIT企業がセキュリティやガバナンスを『言い訳』にして導入の検討すらしないのはいかがなものか。それでいいはずがない」
と、著者は指摘する