政府が携帯電話料金の値下げを求めるなか、注目されていたNTTドコモが2020年12月3日、若者向けの料金プランを新たに設け、20GB(ギガバイト)で月額2980円(税別)とする発表した。
これは、KDDIやソフトバンクが10月に公表した同じ20 GBの料金プランより安くなり、ネット上では「ドコモ、凄すぎる。これで他社が追随しないとドコモの一人勝ちだ」という称賛の声が上がっている。
ただ、一般の利用客が多い大容量のメインブランドについて、NTTドコモの井伊基之社長は「今の料金プランを値下げする」との考えを示したものの、詳しい内容は今月中に改めて発表するとした。
オンラインでのみの受付でコストダウン
NTTドコモの発表資料によると、若者向け新料金プランの名前は「ahamo」(アハモ)。ahamoには、「未知の物事を瞬時に理解すること」を意味する「アハモーメント」や、「なるほど」という相づちの英語表現である「Aha」、楽しいときの笑い声である「アハハハ」という意味を込めたという。固有名をつけることで、実質的に割安ブランドという位置づけだ。
「ahamo」は月額2980円(税別)で20GBまでのデータ通信を利用できるプラン。20GBのデータ容量を使い切った後も、1Mbps(ビット毎秒)でデータ通信を利用できる。もとの高速通信に戻したい場合は、1GBあたり500円で追加のチャージができる。ネットワークはドコモの4Gと5Gに対応している。
月間20GBのデータ容量の範囲で、海外82の国や地域で追加料金なしで利用できる。音声通話については1回あたり5分以内の通話なら何度でも無料になり、5分を超える通話は30秒あたり20円の料金がかかる。
さらに、月額1000円で国内通話がかけ放題となる「かけ放題オプション」も用意している。
若者を主な顧客と想定、乗り換えにかかる手数料を無料として、ネットで手続きを完結できるようにした。
「ahamo」がここまで安くできるのは、効率化を求めて人件費を減らすために実店舗では取り扱わず、オンラインでのみ受け付けるからだ。新規契約は専用サイトで受け付け、専用アプリからデータ利用量や料金を確認する仕組みだ。店舗でのサポートをなくしてコストダウンを図った。そのため、NTTドコモが「デジタルネイティブ世代に寄り添い、一緒に成長していくサービス」とうたっているように、かなりスマホリテラシイーの高い若者向けということになる。
契約できるのは、NTTドコモが発行する本人認証用IDの「dアカウント」を持つ20歳以上のユーザーに限られるが、保護者が契約をして20歳未満のユーザーを利用登録することはできる。支払い方法は口座振替かクレジットカード。2年契約や解約金は設定しておらず、1000円の利用につき「dポイント」10ポイントが貯まる。またキャリアメールは利用できない。
KDDIやソフトバンクが10月に発表した20ギガバイトの料金プランは、ともにサブブランドの「UQ mobile」(3980円)と「Y!mobile」(4480円)だが、1000円~1500円ほど安いことになる。ドコモが一般の利用客向けのメインブランドで、さらにどのくらい値下げしてくるかが注目される。