あなたの会社の社長はどんな街に住んでいますか――。東京商工リサーチが約390万社を収録した同社の企業データベースから、2020年7月末時点の社長の居住地を抽出しランキングにまとめたところ、全国の「社長の住む街」のトップは、東京都港区「赤坂」だった。
また、赤坂がある「港区」の社長比率は13.1%で、区民の10人に1人以上の割合で社長であることもわかった。同社が2020年11月30日に発表した。
東京都港区の社長比率は13%!
調査によると、東京都港区「赤坂」に住む社長は3545人。2位の東京都新宿区「西新宿」(2878人)以下を、大きく引き離してのトップだった。トップ10のうち、3位以下は次のとおり。
3位 東京都港区「六本木」 2784人
4位 東京都渋谷区「代々木」 2674人
5位 東京都港区「南青山」 2672人
6位 東京都港区「高輪」 2525人
7位 東京都港区「芝浦」 2370人
8位 東京都新宿区「新宿」 2357人
9位 東京都港区「三田」 2286人
10位 東京都港区「南麻布」 2246人
トップ10は東京都23区のうち、港区7、新宿区2、渋谷区1の3区の街が占めた。港区に住む社長は3万4111人で、約26万人の区民(人口)に対する社長比率は13.1%となり、「社長だらけの街」ともいえる様相だ。
全国の市区別でも、トップ10は東京都が独占。最多は世田谷区で4万8878人。世田谷区は人口が約92万人と23区で最も多く、社長比率は5.33%。市区郡別の社長人数で2位だった港区が比率では上回った。
東京都が独占した市区郡別トップ10では大半が西部の区だったが、8位に江戸川区(2万1590人)、9位に足立区(2万1091人)と、東部からも2区が入った。
東京商工リサーチによる「社長の住む街」調査は2017年に続いて行われたもので、今回はトップ10で前回と順位の変動はあったものの、顔ぶれはほとんど変わっていなかった。
しかし、11位以下では変動が目立った。オリンピックで整備が進んだ「江東区豊洲」(前回27位 → 13位)、銀座から近くタワーマンション建設など開発が続く「中央区勝どき」(同22位 → 14位)がランクアップ。一方、「江東区大島」は前回の11位から15位にダウン。また、「世田谷区成城」は15位から21位に下げた。
コロナ禍で大きく変わる可能性も
東京都以外では、埼玉県「川口市」が1万8077人で14位、千葉県「船橋市」が1万3091人で20位と、東京に隣接する街や、鹿児島県「鹿児島市」が1万3059人で21位など、地方中核都市がランクされた。このほか、千葉県「市川市」が22位、大阪府「東大阪市」が23位、兵庫県「西宮市」が25位と続く。
社長邸というと閑静な高級住宅地にあるイメージが強いが、東京商工リサーチによると、
「依然として、そうした場所の人気は高いものの、プライベートの充実を図る一方で、多忙なビジネス中心の生活の利便性を重視して、各地の中心部で住まいを選んでいるようだ。都心部でセキュリティーが行き届いたマンションが多いほか、社長の世代交代も一因になっている」
とみられる。
社長の住む街は「東京一極集中」の様相が強いが、新型コロナウイルスの感染拡大で、在宅勤務やテレワークが進み、本社を地方に移転する企業も出ている。社長の住む街のランキングも大きく変わる可能性が指摘されている。