ドコモ新プランで携帯電話料金がホントに下がるの? 菅首相パフォーマンスに「NHK受信料にこそ力を注げ」と怒りの声(2)

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   菅義偉政権が政策の目玉に位置づける携帯電話料金の値下げ戦争が、いよいよ本格化しそうだ。

   2020年12月1日、多くの主要メディアはNTTドコモが今週中にも新料金プランを発表すると報じた。すでに割安プランを発表した大手2社、KDDIとソフトバンクよりさらに安い料金を提供する予定だという。

   さっそく武田良太総務相は同日の記者会見で「歓迎する」旨を発表したが、ネット上では「本当に利用者が使いやすいプランになるのか?」と疑問の声が圧倒的に多い。

  • 携帯電話料金が下がると嬉しい?(写真はイメージ)
    携帯電話料金が下がると嬉しい?(写真はイメージ)
  • 携帯電話料金が下がると嬉しい?(写真はイメージ)

「常連客に手抜きサービスのキャバ嬢と同じだね」

   ネット上ではNTTドコモの新料金問題も含め、今回の総務相VS携帯会社の料金値下げ騒動にはこんな意見があふれている。まず、ドコモの新料金がどうなるかだが、ITジャーナリストの篠原修司氏がこう投稿した。

「現在、通信会社のシェア率はドコモが34.9%、auが24.6%、ソフトバンクが15.5%と、ドコモの人気が高い(MMD研究所調べ)。NTTドコモが本体ブランドの価格を下げれば、サブブランドの値下げで対抗してきた2社も価格競争をしなければならなくなる。結果として武田総務大臣の希望どおりになりそうな展開です。影響が大きそうなのはMVNO(格安携帯電話会社)。サブブランドのUQモバイルは3.0%、ワイモバイルは2.5%のシェアを抱えているが、ドコモのサブブランドが登場すれば、その通信エリアの広さ、信頼性から乗り換えが進むことが予想されます。今後数年かけて携帯電話料金が安くなっていくことでしょう」

   フリージャーナリストの山口健太氏も、こう推測する。

「ドコモの新料金では新たに導入するとされる3000円前後のサブブランドが目を引きますが、リテラシーの高い若者向けが中心とみられます。多くの人が気になるのはメインブランドでの値下げ。いま、ドコモの5Gギガホは100GBですが、キャンペーンで無制限となっています。ドコモはユーザーがどれくらいのデータ量を使っているか実態を把握していることから、政府の値下げ要請に応えつつ、収益へのダメージを最小化するラインを見極めてくるはず。問題はどのような条件が付くかです。これまでのドコモは家族割や光セット割に加え、dカードお支払割で金融サービスとの連携を図ってきました。通信単体での収益は下がったとしても、ドコモ全体としての収益力を高めることでカバーするような施策になりそうです」

   携帯料金値下げについては、長期契約者が恩恵を受けないことを怒る声が多かった。

「長期で契約している人の割引をお願いします。新規や乗り換えばかりが割引って、その考えがおかしい。ドコモ光を契約しているのでWi-Fiと併用していたら20ギガは使い切れない。それならばギガホやギガライトの割引をしてほしい。それと長期契約ユーザーに対してのお得な割引などあってもよいのでは?」
「長期ユーザーとしては同感ですね。何かキャバ嬢と同じだよね。常連客は放っておいても来てくれるから手抜き。新規客を取り込む為に、一生懸命サービス。たまには、他店に行ったほうがいいのかな」
「確かに、携帯電話会社が釣った魚に餌はやらないという考えなのは携帯電話の普及当時から何も変わっていない。だから相手が変わることを期待するよりも、頻繁に乗り替えて新規特典を獲得した方が得ですよ。政府が発表した(携帯料金値下げの)アクションプランは、事業者間の流動性を高めるのが目的になっています。よって、自社への誘導のために新規契約などの入口は緩めることはあっても長期契約者への優遇は期待できない状況です」

   利用者は携帯各社になめられないように、もっと賢くなるべきだというアドバイスが多かった。

「価格に鈍感な長期契約者の存在こそ、携帯会社の傲慢化につながっているのです。言い方は悪いですが、企業からすれば格安SIMに乗り換える頭もなく、他社に乗り換える度胸もないうえ、プランを見直す手間もかけられず、解約もできずに黙って金を落とすだけの人がカモ客なのですから、長期契約者優遇は難しいでしょうね」

   具体的にはどうすればよいのか。こうアドバイスする人も。

「自分はソフトバンク → 楽天 → ワイモバイルと乗り換えてきたけど、それぞれ乗り換え特典で特に損はなかった。端末は常にアップルストアで買ったSIMフリーです。キャリアから一括購入より安いです。手続きもマイナンバーカードの取得に比べれば楽なものです」
「DSDV対応端末を買います(いまなら4万円程度でそこそこの物が買えます)
ドコモケータイプラン+UQモバイルのデータ高速3GBプランで運用します。それで月額は2200円程度で、カケホーダイを追加しても3000円から4000円程度。家族もドコモであれば、ケータイプランでドコモを維持する事で家族との無料通話が確保されます。3GB使い切れなかった場合は余った分を翌月に繰り越しされます。UQモバイルならau本家と同等の品質なので、速度不足の心配はありません。端末を用意したり、解約金を払ったりと初期投資はそれなりにかかりますが、今使っている端末を売却する事で多少穴埋めできます。端末がiPhoneやgalaxyであればおつりがくるかもしれません。自分が動くことによってのみ、自分が求めた物にたどり着くことができます」

「携帯は自分の意思で選べるがNHKは強制されるだけ」

NTTドコモはどんな料金プランを出すか?(東京・大手町のNTT持株会社ビル)
NTTドコモはどんな料金プランを出すか?(東京・大手町のNTT持株会社ビル)

   一方で、そもそも民間企業の「価格」の問題に政権を挙げて圧力をかけるのはおかしいという意見が多かった。総務省なら携帯電話料金より、NHKの受信料問題に取り組むべきだという人が非常に多かったのだ。

「格安サブブランドやMVNOは料金が安い分、通信速度が遅く、電波が入りにくい場所もある。主力ブランドは通信速度が速く、電波の入るエリアが広い分料金が高くなる。良い物を買えば高いし、安いものを買えば品質が劣るのは当たり前だ。高品質のまま料金を安くしろって、携帯各社にも株主がいるのだから無理難題だ。それならいっそ、公衆Wi-Fiの拡充を国が主体になって推し進めれば、国民の使う通信量も少なるわけだから、必然的にケータイ料金が下がるよね。その方がとても助かるんだけどなあ」
「主力ブランド、サブブランド、格安スマホと、料金を下げる選択肢がこれだけ用意されているのに、何が問題なの?料金の高い大手キャリアを自らの意思で選択しているのは各個人の意思でしょう。料金が高いと思うなら格安スマホに乗り換えればいいだけの話。つまり既に出来ていることを、『仕事しています』風に政治パフォーマンスしているだけだ。民間企業に圧力かけるくらいならNHK受信料にメスを入れてください」
「携帯電話は納得して各々が契約している。料金が気になる人間は、いろいろな選択をして、もうそれなりに対策をしていると思う。むしろ選択肢のないNHK受信料にこそメスを入れるべきです。スクランブル化(編集部注:契約した人だけが見られるシステム)こそが、最も公平なやり方でしょう」

(福田和郎)

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