ドコモ新プランで携帯電話料金がホントに下がるの? 菅首相パフォーマンスに「NHK受信料にこそ力を注げ」と怒りの声(1)

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   菅義偉政権が政策の目玉に位置づける携帯電話料金の値下げ戦争が、いよいよ本格化しそうだ。

   2020年12月1日、多くの主要メディアはNTTドコモが今週中にも新料金プランを発表すると報じた。すでに割安プランを発表した大手2社、KDDIとソフトバンクよりさらに安い料金を提供する予定だという。

   さっそく武田良太総務相は同日の記者会見で「歓迎する」旨を発表したが、ネット上では「本当に利用者が使いやすいプランになるのか?」と疑問の声が圧倒的に多い。

  • 携帯料金値下げを政治パフォーマンスにした? 菅義偉首相
    携帯料金値下げを政治パフォーマンスにした? 菅義偉首相
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主力のドコモブランドでも値下げの方向か?

   主要メディアの報道によると、武田良太総務相は1日の記者会見で、NTTドコモが携帯料金の引き下げを検討していると報じられていることについて、

「国民が(料金負担が)軽減されたと実感できる環境をつくってほしい」

   と期待を示した。

   NTTドコモはいったいどんな料金プランを出してくるのか。NHK(12月1日付)によると、

「NTTドコモは、主力のドコモブランドとは別に、主に若者向けの新たなサブブランドをつくり、20ギガバイト(GB)で月額3000円を下回る水準の料金プランを設ける方針を固めた。また、主力のドコモブランドでも値下げする方向で、今の料金プランを見直す検討に入った」

   というのだ。

   朝日新聞(12月1日付)は、より具体的にこう報じた。

「ドコモには、月7GBまで使った分だけ4段階で料金が上がるプランと、30GBまでの定額プランの2つがある。これをデータの使用量に応じて課金する体系に改める。30GBなら現在は税抜き月7150円だが、これより安くなる。(新設する)割安ブランドでは、データ容量20GBで3000円前後のプランを検討する。KDDIとソフトバンクは20GBで3980~4480円のプランを発表しており、これより安くなる。手続きはネット上で利用者自ら行ってもらうことを基本とする」

   という内容のようだ。

   携帯電話料金の値下げについては、今年10月28日、KDDI(au)とソフトバンクが、いずれも20 GBの新料金プランを発表していた。KDDIは主力ブランドauとは別の割安ブランド(サブブランド)「UQモバイル」で、月額3980円(税別)の新料金プランのサービスを来年2月以降に始める。auが容量無制限で7480円だからかなりやすい。ソフトバンクもサブブランド「ワイモバイル」(Y!mobile)で4480円(同)の料金プランを12月下旬から始める。こちらも主力ブランドの50GBまで7480円に比べると安い=下の表参照。

(表)値下げに向けた携帯各社の取り組み
(表)値下げに向けた携帯各社の取り組み

武田総務相の豹変に携帯2社「いきなり鈍器で殴られた感覚だ」

携帯会社批判に豹変した武田良太総務相(首相官邸公式サイトより)
携帯会社批判に豹変した武田良太総務相(首相官邸公式サイトより)

   しかしKDDI(au)、ソフトバンクとも、主力ブランドは少しも値下げになっていないことからネット上で批判を浴びていた。その批判を再燃させたのが11月27日の武田良太総務相の記者会見である。ひと月前にKDDIとソフトバンクが「値下げプラン」を発表した直後は称賛していたのに、突然手のひらを返して「何の意味もない」と不満をぶちまけたからだ。

   毎日新聞(11月28日付)「総務相、携帯『囲い込み』批判 主力 → 格安、乗り換えに手数料」も、武田総務相のやや強引な手法をこう伝える。

「10月末、KDDI(au)とソフトバンクがサブブランドの新たな料金プランを発表した。ただ、メインブランドの値下げに踏み込まなかったことや、高額な大容量のデータ通信の新プランだったことから、利用者からは『家計の負担減につながらない』との声が出た。このため、当初、値下げを評価した武田氏も批判に転じた」

   今回、武田氏が新たに問題視したのが、同じ携帯会社のメインブランドからサブブランドに変更する際のハードルだ。武田氏は、各社がメインブランドからサブブランドへの乗り換えでは手数料を徴収する一方、逆の乗り換えの際には手数料を無料にしたり、割引を行ったりしていると指摘。「高いブランドから低いブランドに移すのではなく、むしろ高いブランドに移す」状況になっていると不満を示した。携帯業界にはこんな不満の声が広がっているという。

「いったんは評価しながら、手のひら返しではないか。いきなり鈍器で殴られたような感覚だ」
「どこまでやれば納得してもらえるのか」

   産経新聞(11月28日付)「携帯値下げ議論混迷 総務相、大手の新プランを批判」も、携帯大手各社の憤りをこう報じる。

「『虎の尾を踏んだ』と携帯大手関係者はつぶやく。KDDIの高橋誠社長は11月25日の産経新聞などの取材で、総務省が格安への乗り換え促進策を推進中なのに主力ブランドを安くすると言えば、乗り換えが進まなくなるので『「矛盾している』と指摘。これに対し、武田氏が、大手には囲い込み策があって、乗り換えが阻害されているから主力ブランドを下げるしかないのだと反論した格好だ。だが、その手法には強引さも垣間見える」
「武田氏は乗り換えを阻む要因として3つの手数料が計1万5500円もかかっていることを挙げた。しかし、このうち9500円の契約解除手数料は昨年1000円に下がっており、3000円の乗り換え手数料も来春からネット手続きでは0円になるなど、実際には(約4000円以内で済むよう)見直しが進みつつある。武田氏の強硬な姿勢には『当然その上(編集部注:菅首相)が関わっている』と携帯大手首脳は語る」

というわけだ。

   いずれにしろ、武田総務相も期待するNTTドコモの新料金プランの発表がカギを握るわけだ。

(福田和郎)

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