まだ第2弾がある「政府VS分科会」の暗闘
とはいえ、最後は「専門家の提言」を受け入れざるをえなかった。しかし、週刊文春は、政府VS分科会の暗闘はまだまだ続くという。それが冒頭に紹介した「官邸と分科会のいちばん長い日」の3日後に再び開いた極秘会談だ。会議での、「これでは不十分だ。首相には危機感がない」という発言が、菅首相への第2弾というのだ。
じつは、提言は「GoToの見直し」などについて、もっと厳しい内容が盛り込まれていた。だから「不十分だ」というわけだ。
朝日新聞(11月28日付)の「社説:コロナ第3波 医療現場に支援厚く」は、政府と専門家が「対話不全」を続けている暇などない、としてこう訴えた。
「分科会がトラベル事業の一時停止を提言した。だが政府は応じず、取材に応じた菅首相は、記者の質問から逃げるように立ち去った。所信表明演説で『爆発的な感染は絶対に防ぐ』と表明しながら、首相は経済活動の維持に軸足を置いてきた。難しい判断であることはわかる。だが、感染拡大の兆しを見つけたらまずは封じ込めを優先し、状況が落ち着いてから少しずつ活動を再開する。それが経済にも好影響を与える。春と夏の感染拡大で学んだ反省や教訓が生かされているとは思えない。待ったなしの課題だ」
(福田和郎)