環境に恵まれていた中国
以前は、人間のコピーライターが何時間もかけてキーワードや、クリックスルーレート(CRT、クリック率)を調べてキャッチコピーを作らなければならなかったが、それらが不要になった。また、AIコピーライターなら、プラットフォームを使って商品を販売する業者も利用できる。
具体的な仕組みはこうだ。商品情報は販売業者の提案などから複数パターンの広告が作られ、それらを顧客行動データにより訓練されたアルゴリズムにより処理。そして、システムがどの言葉の組み合わせが顧客のクリックを促す可能性が最も高いかを割り出し、それをもとにコピーが生成される。
アリババばかりではなく、早くからビジネスの運営をAIに依存している企業は多い。膨大な人口を抱える中国では、顧客の生活に関するデータ量は「とてつもない」規模だ。
また、中国ではそれらのデータを蓄積・活用できる技術を吸収し、進化させる余地も大きかった。中国はAIの発展にはうってつけの環境を有していたといえ、米国と肩を並べる「大国」の成長できた理由の一つだ。