コロナ禍で自宅でのリモートワークなど働き方改革が問われるなか、育児休暇を希望しても3割が取得できていないことが、日本労働組合総連合会(連合)の調べでわかった。2020年11月16日に公表した。
育休が取得できた人でも、40.1%は希望日数より少なかったという。育休を望んでも、思うように取得できない現状が浮かび上がった。
調査は、連合が男性の育児への意識や実態を把握する目的で、10月26~28日に実施。未就学の子どもがいる全国の20歳~59歳の働く人1000人(男性500人、女性500人)を集計した。
男性「仕事の代替要員がいない」 女性「収入が減る」
調査によると、育児休業を取得したことがない人(611人)に、その理由を聞いたところ、「希望したが取れなかった」が男性で31.6%、女性が24.7%(全体で29.6%)という結果となった。
育児休業を取得できなかった、取得しなかった理由は、1位が「仕事の代替要員がいない」で男性53.3%、女性22.5%(全体で44.4%)、2位が「収入が減る」で男性26.1%、女性27.5%(全体26.5%)、3位が「取得できる雰囲気が職場にない」で男性が25.6%、女性14.0%(全体22.3%)だった。
育休の希望日数と実際の取得日数については、「希望日数より少なく取得した」と答えた人が全体の40.1%。男女別にみると、男性では47.8%と半数近くを占めた。また、「勤め先は育児休業を取得しやすいか」との問いには、「取得しにくい」と答えた人の割合は男性で57.6%、女性が29.2%だった。
一方、コロナ禍による自宅でのテレワークの状況を聞くと、「テレワーク勤務を行うようになった」が男性30.2%、女性19.0%(全体24.6%)、「時差通勤を行うようになった」が男性19.8%、女性10.4%(全体15.1%)、「労働時間が減った」が男性15.8%、女性13.8%(全体14.8%)だった。
さらに、家庭内では「子育てにかかわる時間が増えた」との回答が男性で47.8%、女性51.8%(全体49.8%)と、男女ともに育児にかかわる時間が増加していることがわかった。