韓国のオーディション番組ならではのノウハウ
こうしたなか、「NiziU」の成功に学び、韓国と日本が新たな提携を結べば世界に飛躍できる、と呼びかけたのが硬派の大手紙「中央日報」(2020年11月23日付)だ。「『NiziU』の成功...『韓日が戦略的に提携すれば世界で通じる』」という見出しの記事は、東京の渋谷109タワーを「NiziU」の大看板広告がジャックした写真を掲載して、こう伝える。
「若者で賑わう東京渋谷の109タワーにNiziUの大型広告看板が登場した。電光掲示板には12月2日に発売されるNiziUのアルバムの広告映像が流れていた。NiziUの関連商品を販売するストアは9日前から入場券の第1次予約販売が始まったが、数万人のファンが集まって早々に締め切られた」
NiziUのグッズ販売専門店が109の中にあるが、早くもアルバム発売前に入場券が完売してしまったというのだ。中央日報が続ける。
「NiziUは韓国のJYPエンターテインメントと日本のソニーミュージックが共同で進めたグローバル・オーディションを通じて誕生した。9人全員が日本人で、初めから日本市場を通した世界進出を念頭に置いてスタートしたプロジェクトだった」
その合同プロジェクトの仕組みを、中央日報はこう伝える。
「昨年7月から日本8都市と米国ハワイ、ロサンゼルスで行われたグローバル・オーディションを通じ、1万人を超える応募者が参加した。このオーディション過程はYouTubeやオンライン動画Hulu(フールー)、日本テレビを通じて公開された。新しい回が公開されるたびにオーディション参加者の名前がYahoo!Japanのリアルタイム検索語に上がる。6月30日に発売されたNiziUのプレデビューアルバム『Make you happy』はオリコンランキングなど日本の各種音源チャートを席巻したのはもちろん、中国、香港、台湾、マレーシアでもチャート上位を占めた」
じつは、こうしたシステムは、韓国のオーディション番組ならではのノウハウだ。
「韓国コンテンツ振興院日本センター長のファン・ソンヘ氏は『韓国で検証済みのオーディション番組というフォーマット、JYPのトレーニングとプロデュース能力、日本のソニーミュージックの現地パワーなどのさまざまな強みの要素があった。韓国と日本がそれぞれ得意な部分を戦略的に協業したことが世界に通じた』と分析した」