ビジネスシーンで、相手の話を聞くことはコミュニケーションを構築するうえで大切なスキルと考えられています。
ところが、世の中には聞き上手が少ないことも事実。聞き上手になると、人から信頼され、人生がうまくいくようになります。どうすれば、聞き上手になれるのでしょうか。
成功している人は、なぜ聞き方がうまいのか?(八木龍平著)日本文芸社
聞き上手は主導権を相手に渡す
著者の八木龍平さんは、開き上手になるためには、ネガティブ・ケイパビリティが必要だといいます。聞き上手でない人と、そうでない人とを分ける、わかりやすい基準があるそうです。
「それは、主導権を相手に渡す、ということ。人間は、コントロールされることを嫌がる生き物です。程度の差はあれども、自分で決めて、自分が思うように行動したい。逆に、人の言いなりになるのは不倫快です。小さい子供に『勉強しなさい』と言うとかえって意欲を失わせる、とよくいわれますが、私たちは、本能的に他人に主導権を握られることがイヤなのです」
そう話します。
「ですから、人は何かを話すときも、自分の意思で、好きなように話せていると感じているときのほうがよくしゃべります。気持ちよく話せるからこそ、深い話や、思ってもみなかった話も飛び出してきます。聞き上手な人というのは、このことを知っています。だから、話し手に主導権を与えて、好きに話してもらえるようにもっていくのです」
筆者がコンサルティング会社に勤務いていたとき、この方法はインタビューの基本でした。インタビューと聞くと「根堀り葉堀り」聞いていくようなイメージがありますが、それは違います。優秀なインタビュワーほど聞きません。むしろ、相手が話したくなるような雰囲気をつくるのがうまいのです。