男性の育休 57.6%が「取りにくい」40%が有給休暇で対応

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   男性の育休取得、ハードル依然高く――。

   日本労働組合総連合会(連合)の「男性の育児等家庭的責任に関する意識調査」によると、男性の「育児休業」取得者は13.4%にとどまり、「育児のために取得した休業・休暇」については「年次有給休暇」という回答が40%など、男性にとっては依然、育休を取得しやすいとはいえない現状が示された。

   菅義偉首相は2020年11月7日、横浜市で開かれた国際青年会議所世界会議横浜大会の講演で、「民間企業も男性の育休を取得しやすい環境を作ってほしい」と要請。その環境づくりに努める決意を表明している。

  • 男性の育休 政府推進も、なお「取りにくい」現状
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育休取得「ある」男性13.4%、女性64.4%

   調査によると、「育児休業」は女性の64.4%が取得したことがあると回答。しかし、男性は13.4%にとどまった。男性が「育児休業」のほかに「育児のために取得したことがある休業・休暇」は、「年次有給休暇」の40.0%が最も高く、続いて「配偶者出産休暇」の28.8%、「子の看護休暇」15.4%、「振替休日・代替休暇」が13.0%だった。

   厚生労働省が2020年7月に発表した「雇用均等基本調査」によると、2019年度の男性の育児休業取得率は、前年度と比べて1.32ポイント増の7.48%。政府は「2020年までに13%」を目標に掲げ、取り組みを続けている。

   育休を取得したことがない人(男女合わせ611人)に、育休を取得しなかったことの背景にある意識を聞いたところ、「取得したかったが、取得できなかった」との回答が29.6%、「取得するつもりもなく、取得しなかった」は70.4%だった。

   男女別にみると、「取得したかったが、取得できなかった」と回答した人の割合は、男性では31.6%と、女性の24.7%と比べて6.9ポイント高かった。

勤め先に育休「ない」「わからない」は35.5%

   また、育休を取得できなかった理由、または取得しなかった理由を聞いたところ、「仕事の代替要員がいない」が44.4%で最も高く、次いで「収入が減る(所得保障が少ない)」の26.5%、「取得できる雰囲気が職場にない」22.3%、「取得するものではないと思う」11.9%、「仕事のキャリアにブランクができる」6.1%が続いた。

   男女別にみると、男性では「仕事の代替要員がいない」の53.3%、女性では「収入が減る(所得保障が少ない)」の27.5%が、それぞれ最も高かった。

   すべての回答者に、自身の勤め先には育休があるか聞いたところ、「ある」との答えが64.5%となった一方、「ない」は21.2%、「わからない」は14.3%で、「ない」と「わからない」を合わせて35.5%にのぼった。

   男女別にみると、「ない」と回答した人の割合は、男性では24.2%と、女性の18.2%と比べて6.0ポイント高かった。

   さらに、自身の勤め先は育休を取得しやすいか、取得しにくいか聞いたところ、「非常に取得しやすい」(22.7%)と「どちらかといえば取得しやすい」(33.9%)を合わせ「取得しやすい」とする回答は56.6%。「非常に取得しにくい」(19.2%)と「どちらかといえば取得しにくい」(24.2%)を合わせた「取得しにくい」とする回答は43.4%だった。

   男女別では、「取得しにくい」と回答した人の割合は、男性57.6%、女性29.2%。男性のほうが28.4ポイント高く、男性は職場に対して育休を取得しづらい雰囲気があると感じている人が多かった。

   なお、調査は2020年10月26日~28日にインターネットで実施。未就学の子どもがいる全国の20~59歳の働く人1000人(男性500人、女性500人)の有効サンプルを集計した。連合が11月16日に公表した。

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