未曾有のコロナ禍に見舞われた2020年の就活。内定の解禁を迎えた10月1日時点での大学生の就職内定率は69.8%と、5年ぶりに70%を下回った。文部科学省と厚生労働省が共同で調査を行い11月17日に結果を発表した。
前年同期と比べて7.0ポイントのマイナスで、下落幅はリーマン・ショック後の2009年(7.4ポイント)に次ぐ。
調査は、国公立大学24校(国立21、公立3)、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校(専門課程)20校の計112校、6250人を対象に実施した。
就活生には厳しい冬に......
10月1日時点の大学の就職内定率は69.8%で、国公立・私立別では、国公立71.9%で前年同期と比べて7.5ポイント減、私立69.1%で同6.8ポイント減だった。また、短大は27.1%(同13.5ポイント減)、高専93.8%(同2.4ポイント減)、専修学校45.5%(同14.9ポイント減)だった。
大学、短大、高専を通じた就職内定率は67.1%(同7.1ポイント減)。専修学校までを含めると64.8%(同7.9ポイント減)だった。
大学生の男女別では、男子68.8%(同7.3ポイント減)、女子70.9%(同6.7ポイント減)。国公立・私立別では、国公立大の男子70.6%、女子73.3%、私立大男子68.3%、女子70.1%となっている。大学の文系・理系別でみると、文系学生の内定率は68.7%(同7.5ポイント減)、理系74.5%(同4.8ポイント減)だった。
2021年入社予定の採用・就職活動は、コロナ禍の感染拡大の影響を各企業が計りかねて採用を控えめにしたとされる。コロナ禍の収束見通しは依然不透明で、2022年入社組の採用にも影響する可能性は大きい。
11月17日には、コロナ禍による経営悪化で、全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスが、22年4月入社予定の新卒採用を、例年の約3000人から200人ほどへと大幅に減らす見通しを明らかにした。
リクルートの研究機関、就職みらい研究所の調査によると、2022年入社の採用予定数について10月時点で約4割の企業が未定だ。就活生には、厳しい冬になっている。