これまでの株式投資で肝に銘じてきた格言がある。「二度に買うべし二度に売るべし」である。
日本証券業協会の相場格言集は、
「『相場は相場に聞け』ではないが、まず相場に探りを入れる。つまり打診をして、自分の当否を確かめてみてはどうか。その結果、予想どおりであることがわかったら、そこで初めて本格出動してもまだ十分に間に合うはずだ。一度に出て行って失敗することを考えれば、これくらいの手間ヒマは惜しむに価しない。いわば、石橋を叩いて渡るがごとき慎重さが、株式投資には何よりも必要となる。『二度に買うべし、二度に売るべし』は、その慎重さを説いた教訓である」
と、説いている。
コロナ禍の感染第3波で、どうなる東京五輪?
2019年5月9日、三越伊勢丹ホールディングス(HD)株を、1株当たり990円で100株取得した。この時、百貨店業界はバブル崩壊後の、デフレと少子高齢化による個人消費の縮小で業績は長期低迷を余儀なくされ、株価も「低空飛行」の状況にあった。このような中で、東京五輪・パラリンピックのインバウンド需要は大いに期待されていた。
ところが......。周知のとおり、昨年末に中国で発生した新型コロナウイルスのパンデミックによって、世界各国は感染の拡大防止と経済活動の活性化という、相反する問題に難しい対応を迫られることとなった。
日本も例外ではない。コロナ禍の感染拡大を防止するため、今春には経済活動の停止に踏み切った。その結果、日本社会もこれまでとは様変わりした。
参考リンク:「百貨店復権!? 観光政策の強化で三越伊勢丹HDが『買える』(石井治彦)」(J-CASTニュース会社ウォッチ 2019年3月6日付)
新型コロナウイルスの中国での発生から10か月過ぎてなお、感染第3波が押し寄せて、経済活動もままならない。その一方で、世界各国で新型コロナウイルスに対する研究・開発も進み、ワクチン開発ににも光明が差してきた。
世界中で、ワクチンや新薬の開発が急テンポで進んでいるが、なんとか来夏の東京五輪・パラリンピックに間に合ってくれればいいのだが......。
来た! 二度目の「買い」のタイミング
2019年5月9日に、1株当たり990円で買った三越伊勢丹株は、コロナ禍の感染拡大で、20年7月31日には479円の年初来安値を記録するところまで下落した。当然だろう。前日の7月30日付の日本経済新聞は、「三越伊勢丹、赤字600億円・今期最終、コロナ休業響く」の見出しで、「新型コロナで4~5月にかけて主要店舗での休業が相次いだ。再開後も回復が鈍く、7月以降の売上高も平常時の15%減で推移するとみている。三越銀座店などのけん引役となっていた訪日客需要はゼロになる見込み」と書いていた。
そうしたなか、政府は10月1日から、条件付きながら海外との渡航制限の緩和を進めている。百貨店業界もソーシャルディスタンスに考慮しながら、そろりと営業再開に踏み切り、売り上げの回復を図っている。最近の三越伊勢丹HDの株価は、7月31日の年初来安値を底に、戻り基調にあるように見える。
欧州はコロナ禍の感染第3波で、再びロックダウン(都市封鎖)に陥っている。日本でも冬が本格的に到来した北海道をはじめ、東京や大阪で新型コロナウイルスが再び猛威を振るっている。
ただ、今春のように人の移動を止めたことによる経済的ダメージは、あまりにも大きい。欧州と違い日本では、再び強制力を持って経済活動を止めるようなことはしづらく、おそらく夜間限定や地域限定など部分的な規制強化にとどまるのだろう。経済をマヒさせることはない。
ならば中期的な視点から、5~6万円台で買える三越伊勢丹株は、「二度目の買いどきではないのか」と考え、11月17日に610円で100株を買い増した。これから年末にかけて、550円近くまで下がることがあれば、さらなる買い増しを考えている。
2020年11月17日現在 保有株式200株 平均取得単価855円07銭
【三越伊勢丹HD (3099)】
年初来高値 2020/1/17 1020円
年初来安値 2020/7/31 479円
直近 終値 2020/11/17 604円