コロナ禍で特需! 段ボール箱用の取っ手「タックハンドル」3割増の伸び【コロナに勝つ!ニッポンの会社】

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   家電量販店などでちょっと大きめの持ち帰り製品の段ボール箱に付けられた取っ手に気づいたことがあるだろうか――。「タックハンドル」といい、コロナ禍の2020年4月~10月で、前年同期に比べて受注が大幅に増えた。取っ手の国内トップメーカー、松浦産業(香川県善通寺市)が2020年11月11日、明らかにした。

   一方、紙袋用の取っ手は、受注が大きく減ったという。

  • タックハンドルがついた家電の段ボール箱(写真は、ブランド名など一部加工)
    タックハンドルがついた家電の段ボール箱(写真は、ブランド名など一部加工)
  • タックハンドルがついた家電の段ボール箱(写真は、ブランド名など一部加工)

「お持ち帰り」増えて タックハンドル需要も増加

   緊急事態宣言が出された2020年4月から10月までの7か月の売り上げは、紙袋用取っ手は前年同期比56%にとどまった一方、「タックハンドル」は130%と大きく伸びた。外出自粛により、百貨店などで買い物する人が減り、ショッピングバッグの需要が減った一方、テレワークの増加で、パソコンや電気スタンドなど家電をそろえたり、飲料や食品のまとめ買いが増えたりしたことを反映したものとみられる。

   タックハンドルは、松浦産業が1989年に大きな缶製品を購入持ち帰り用として開発した、段ボールなどに貼って使うタイプの取っ手。同年以降、飲料などのまとめ買い時の段ボールにも使えるよう研究し改良を重ねてきている。

   取っ手という、いわば地味な製品を事業にしていることから、同社は自ら「ニッチ」メーカーと称している。

   松浦産業によると、近年、タックハンドルをめぐっては、水などの飲料をネット通販で購入するケースが増え、2017年ごろからは需要が下降。しかし、2020年は発泡酒の増税に伴う駆け込み需要や、さらに新型コロナウイルスの影響による、いわゆる家飲みの増加でケースの持ち帰りが増え、タッグハンドルの需要も反転した。

   また、海洋プラスチック問題などから企業が脱プラスチックの取り組みを強化し、大容量のプラスチック製の袋の代用としてタックハンドルに注目。最近も、大手ファストファッションブランドの毛布や、大手調理器具メーカーの持ち帰り用に採用されたという。

   一方、紙袋用の取っ手は、いずれの産業分野からも受注が激減。2019年4月~10月を100とした比較で、今期はアパレルが20%前後、化粧品やデパートの地下食品、土産菓子の分野からは10%以下だった。ただ同社によると、11月に入り次第に受注が戻りつつあり、企業やブランドも多くなっている。和菓子や洋菓子、高級食パンの分野では回復が早く、4月~10月の受注では、それぞれ65%、62%、36%だった。

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