きょうは、50代前半のWさんです。
「結婚して、離婚もして......。もう一度結婚して数年経ちましたが、この歳になっても女性の気持ちがわかりません。まぁ、完全にわかり合えることはないとは思っていますが、定年後も仲良くやっていきたいと思っています。
先日、熟年離婚が増加しているという記事を妻が見ていて、『気をつけないとね』と言われて......。仲は悪くないと思いますが、内心ヒヤヒヤしているところです」
自分が欲しいものでは相手は満足しない
相思相愛でお互いが愛し合って結婚しても、いつもずっと同じ気持ちのままとは限りません。よく男性は「釣った魚にエサをやらない」と言われますが、付き合った後や結婚後の愛情表現は大事です。「言わなくてもわかるだろう」と男性は思いがちですが、残念ながら女性はわかりません。
結婚して30年以上、家庭のために仕事に精一杯頑張ってきた方が、突然、定年後に奥さんから離婚を言い渡せるのは、すれ違いが増えていることが原因の一つだと思います。その結果、熟年離婚が増えている数値も出ています。同居年数20年以上の離婚は、1985(昭和60)年の約2倍です。人ごとではないかもしれませんね。
「仕事ばかりで家庭のことに協力的でないことに対して、奥さんが文句を言わないから理解してくれていると思っていた......」
それは理解をしていたのではなく、我慢していたというケースです。こうなると、すれ違いの年数も長く修正が難しくなります。
参考リンク:厚生労働省:2018(平成30)年人口動態統計月報年計)「同居期間別にみた離婚件数の年次推移」
基本的に、人は相手のために何かしてあげたいと思った時に、自分が欲しいものを相手に与えたいと思ってしまいます。
極端な例を言えば、ライオンと牛が結婚したら、ライオンは肉(自分の好きなもの)を牛にあげたい、牛は草(自分の好きなもの)をライオンにあげたいと思います。相手に喜んでもらいたいという気持ちがありつつも、これでは相手には喜ばれませんよね。
このように男女は求めるものが違うため、すれ違いは起こります。まずは相手が求めていること、欲していることを探ってみましょう。「亭主元気で留守がいい」とも言いますが、このフレーズのまま定年を迎えるとしたら恐ろしいですね。
「ありがとう」を伝えてみる
・感謝の気持ちを伝えてみよう
「ありがとう」と感謝を伝えることは、ふだんなら当たり前のことですけど、夫婦だから「やらなくていいや」とおろそかにしていたらいけません。親しき仲にも礼儀ありと言いますが、近くにいるからこそ、言葉で伝えることが大切です。
毎日、食卓に並べられるおかず。「おいしい」というひと言がうれしいものです。テレビを見ながら黙々と食べる、現在、そんなふうに夕食を囲っていたら、ひと言感謝の気持ちを伝えてみましょう。ふだん口にしない言葉は恥ずかしいことかもしれませんが、一時の恥ずかしさと後々の悲しさだったら、どちらがいいか。わかりますよね。
その他にも、家の外では当たり前にやっているけれど、家の中では「できていない、やっていないこと」を思い返して、ぜひやってみましょう。
・恥ずかしいけど愛情表現してみよう
時間が経つと、結婚当初のドキドキ感など薄れてしまうのは仕方ありません。長年連れそった夫婦が愛情表現というのも、今さら? という気もするかもしれませんが、愛情表現してみましょう。
言葉で伝えることが恥ずかしかったら、変化に気づくということもオススメです。奥さんが髪型を変えた、新しい洋服を購入した際、Wさん声をかけていますか? ひと言でも褒められたらうれしいものです。
せっかくの変化に反応がない、気づかないということは、相手は自分に興味・関心がないことだと思ってしまいます。小さなすれ違いが大きくならないうちに、言葉にすることは大切です。
これらは男性と女性の、どちらかが悪いということではなく、永遠の課題だと思います。私にとっても永遠の課題です。永遠の課題のまま放っておいても状況はよくならないので、どちらも歩み寄りが必要です。
たまに手を繋いだおじいちゃんとおばあちゃんを見かけることがあります。Wさん、いい歳だからと恥ずかしがらず、たまには外で手を繋いでみてはいかがでしょう。(ひろ子ママ)