韓国でも手当たり次第にカゴに放り込む「闇市」騒ぎ
韓国でも、これほどの修羅場にこそならなかったが、「反日不買運動」のシンボルだったユニクロ店舗に若者たちが殺到し、有力紙を嘆かせた。朝鮮日報(2020年11月13日付)は、「反日不買運動はなかった...ユニクロの前に長蛇の列」という残念そうな見出しで、こう伝える。
「ソウル・蚕室(チャムシル)にあるユニクロ・ロッテワールドモール店。2時間前から開店を待つ長蛇の列が数百メートルに及んだ。店員は、新型コロナ感染防止のため一人一人の体温をチェックしていた。開店してから約20分、店員が慌てて飛び出して行列に叫んだ。『メンズの人気コートは売り切れです。ご入場には1時間お待ちにならなければなりません』。40分後、店員が再び出てきて叫んだ。『メンズのアイテムは完売です。ウィメンズも残り少なくなりました』。...しばらくすると、大きなユニクロの紙袋を両手に持った人々が続々と店を出てきた」
この日、蚕室店の店内は「闇市」をほうふつとさせる混雑ぶりとなった。店外では整然と並んでいた人々が店内に入るや、値札が30万ウォン(約2万8000円)を超えないことを確認すると、手当たり次第にカゴに放り込む光景がみられた。こちらでも「3密」が起こり、クラスターが発生してもおかしくない状況になったのだ。
そして、朝鮮日報はこう結んでいる。
「ユニクロは昨年、日本製品不買運動が巻き起こった時、直撃弾を受けた。韓国内で約20店舗が店を閉め、韓国で数十億円台の赤字を出し、日本の親会社ファーストリテイリングの実績も悪化、17年ぶりに売上高と収益が減った。しかし、ユニクロの実績は新型コロナの巣ごもり需要によるオンライン販売で反騰し始めた。ファーストリテイリングは最近、日本の株式市場で絶好調だ。時価総額が約8兆4000億円に達する」
いったい、「不買運動は何だったのか。そんなもの本当にあったのか」と疑問を投げかけるのだ。