ハイレベルなサービスを提供する航空業界のノウハウとは?【尾藤克之のオススメ】

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ファーストクラスの不可解な伝説

   以前、「ファーストクラスのお客様はこんな人」「ファーストクラスのお客様はこんなに素晴らしい」という内容の書籍やトピックが話題になったことがありました。セルフブランディングができていて、周囲への心配りが行き届いているという理由です。

   筆者の経験上、ファーストクラスは確かに、アッパークラスの乗客が多いことは間違いありません。たとえば、「employee free ticket/EFチケット」(従業員チケット)には、軽装は、「don't recommended」(おすすめしない)と明確に書かれています。ドレスコードがあるわけではありませんが、一流ホテルのそれと比較しても差し支えない雰囲気があります。

   また、ファーストクラスが成功者のステータスと主張する人がいます。エコノミーの数倍の運賃を支払う義務が発生しますから、一概に否定するつもりはありません。しかし、座席で属人性が規定されるわけではありません。

   有名な話ですが、英国のキャメロン元首相は、公務では既存の航空会社を使い、プライベートではLCCを使用しています。本物のエグゼクティブであれば、ファーストクラスに乗って、これ見よがしに自慢することなどありえない所業なのです。

   人が人と接するときに、最も大切な礼儀や礼節。どんな人にも心遣いや敬意、感謝の気持ちを持って接していると周りから応援され、助けられ、認められます。人々の安全を守り、ハイレベルなサービスを提供する航空業界のノウハウは奥が深いようです。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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