英紙は「菅首相はトランプ氏敗北でほっとした」!
一方、「the winner」(勝者)と判定されたのは、イラン、ドイツ、カナダ、フランス、ベネスエラ、アルゼンチンの首脳たちです。
とりわけトランプ氏との「イライラする関係」が知れ渡っていたドイツのアンゲラ・メルケル首相は、副大統領時代のバイデン氏と「友好関係」を築いていたことから「一番の勝者」とされています。カナダのジャスティン・トルドー大統領もそうですが、トランプ氏とあまりうまくいっていなかった首脳ほど「勝者」と判定されたようです。
それでは、日本の菅首相への判定はどうだったのでしょうか?
フィナンシャル・タイムズ紙によると、菅首相の勝敗は「Wait and see」(様子見)だそうです。
It is too soon to tell whether Japan will benefit from the change in the White House
(ホワイトハウスの変化が日本の得になるかどうかの判断は時期尚早だ)
日本の経済や政治にとって、バイデン大統領の誕生がプラスに働くかどうかはまだ分からないとしつつ、前任の安倍首相ほどゴルフやスマホでの自撮りに熱心ではない菅首相は、「トランプ氏との個人的な関係づくりに難儀していただろう」と分析。バイデン氏の当選は「菅首相にとっては好材料」としていました。
確かに、トランプ氏とゴルフをしたり、ツーショット写真を自撮りしたりするイメージは菅首相にはありませんね。なかなか鋭い(!)分析です。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「loser」(敗者)と「winner」(勝者)を使った表現を取り上げます。
He's a good loser
(彼はすばらしい敗者だ=負けた時の態度が潔い)
He's a bad loser
(彼はひどい敗者だ=負けた時の態度が悪い)
He' a born loser
(彼はいつも負けてばかりだ)
He's a clear winner
(彼は明らかに勝者だ)
He's a bad winner
(彼は態度が悪い勝者だ)
今回の米大統領選の結果をめぐる動きは、「good loser(良い敗者)」と「bad loser(悪い敗者)」を浮き彫りにしました。いまだに「敗北」を認めないトランプ氏。世界中の子どもたちが、勝ち負けだけではなく、勝ち方や負け方といった「振る舞い」が大切だということを学んでいるのではないでしょうか。(井津川倫子)