コロナ禍で「3蜜」回避や非接触が求められるなか、電気工事通信事業の株式会社エスココーポレーション(岡山市)は、宿泊施設向けに、客室のテレビやモニター機器を通して宿泊客向けにさまざまなコンテンツを提供できるシステム「HIT'S」を開発し、販売を始めた。2020年11月11日の発表。
館内各施設の混雑状況をリアルタイム表示でき、コロナ禍で求められている「密」防止対策に有効。また、さまざまな館内情報を室内で得られるようになるので、施設内で従業員と宿泊客が対面する機会が減り非接触の強化もできる。
スマホを使ったミラーリングもOK
「HIT'S」はマルチ言語機能を備え、4K放送やフルHDの映像コンテンツ配信、YouTubeやNetflixなどのアプリ視聴ができ、宿泊客のスマートフォンを使ったミラーリングもOK。ホテルの周辺案内などの情報をリアルタイムで届ける機能も搭載している。
ホテルの清掃管理やPOS連動など、施設側の業務効率化を実現する追加オプション機能も多彩。ルームサービスに替え、宿泊客が周辺の飲食店からデリバリーを依頼できるようにするオプションもある。
ホテルなどの宿泊施設は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で客足が遠のいたため、テレワークに対応したワーキングスペースやワーケーション施設、宴会場を試験会場として受験生が宿泊するなど、利用スタイル、滞在スタイルが多様化している。
ホテルなどの一部では、スマホなどの端末機器の普及・進化で、従来から備えていたビデオ・オン・デマンド設備の利用減少がコストアップの要因となっていて、エスココーポレーションにはコロナ以前から相談が持ち込まれていた。今回、その対応と合わせて、コロナ禍のニーズの応えられるシステムとして「HIT'S」を開発した。
システム開発では、アンロイドとHTML5を活用。ネットワーク通信環境と、HDMI入力端子(CEC機能)が付いた4K対応テレビまたはモニター機器があれば、メーカー・機種を問わず導入が可能という。リモコンを従来の赤外線からBluetooth規格にし、赤外線の受光部が宿泊者に盗撮カメラと間違われない措置をとった。