「コロナ打撃、冬のボーナス17万円以上減!」全労連がトホホな調査「出るだけまし」「来夏はもっとひどい」と嘆息の声

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「コロナの影響で、冬のボーナスは17万円以上のダウン!」

   新型コロナウイルスの感染第3波が拡大中といわれるなか、今冬のボーナス事情についてトホホな調査結果が発表された。

   労働組合の全国中央組織、全国労働組合総連合(全労連)が加盟労組を対象に冬のボーナスについて企業からの回答状況(第1次集計)をまとめたところ、約半数で昨年より減ったうえ、平均で17万円以上ダウンしたことがわかった。2020年11月10日に発表した。

  • ああ、ボーナスが飛んでいく(写真はイメージ)
    ああ、ボーナスが飛んでいく(写真はイメージ)
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鉄鋼・自動車・情報通信の会社が大幅ダウン

   全労連の公式サイトに発表された資料によると、11月6日までに企業などから回答があった276の労働組合の回答・妥結状況をまとめた。2019年と比較できる147の組合について集計すると、約半数に当たる72の労組で昨年より引き下げられた。

   また、ボーナスの金額を業種や規模などの条件をそろえるため、118の労組を抽出して調べた結果、平均で1.82か月分、51万8058円だった。これは昨年より0.21か月分、17万2541円減少している。過去10年で最も低い額だ。

   業種別にみると、減少幅が最も大きいのは「JMITU」(日本金属製造情報通信産業労働組合)で16.1%減(9万9694円減)だ。機械金属産業や鉄鋼・自動車・情報機器などの製造業、そして情報通信産業の労働者が中心の組合だ。次いで全国の生活協同組合やその関連企業で働く人々で組織する「生協労連・卸売・小売」が15.5%減(8万8465円減)。また、印刷出版関連産業に働く人々の「全印総連」も11.8%減(3万8435円減)という厳しい状況だった。

   建設や交通・運輸に働く労働者を中心に、清掃や学童保育など自治体の下請まで1人からでも入れる労働組合として「建交労」があるが、その中のサービス業部門(「建交労・サービス」)の人々も9.1%減(4万7570円減)とピンチの状態だ。

医療現場でコロナと戦う人々も3万円ダウン

   その中でも注目されるのは、医療現場の最前線でコロナと戦っている人々のボーナスが減ったことだ。病院や診療所、福祉施設などで働く人々で組織している「日本医労連」が6.3%減(2万9688円減)とダウンを余儀なくされた。新型コロナの感染拡大で、病院では専用病棟を設置することが必要になったため、一般患者の受け入れが減り、経営が悪化している医療機関が増えている。そうでなくても過酷な労働を強いられているところに収入減は痛い。

   規模別にみると、中小零細の会社・事業所で働く人ほど大幅ダウンの傾向になっている。30~99人の職場で21.2%減(13万9261円減)、100~299人で17.2%減(8万851円減)、300~999人で3.2%減(1万5652円減)といった案配だ。

ボーナスが出るだけましか(写真はイメージ)
ボーナスが出るだけましか(写真はイメージ)

   一方で、大幅に増えている業種もある。前述した1人でも入れる労組の「建交労」の建設業部門(「建交労・建設」)の人々だ。なんと25%アップ(5万円増)だ。建築・土木の人手不足を反映しているようだ。同様に、福祉分野での人手不足解消を目指す待遇改善の動きを反映し、「生協労連・福祉」の人々も22.6%増(7万4211円増)となった。

   主要メディアによると、記者会見した全労連の黒澤幸一事務局長は今回の調査結果について、「大変厳しい状況が明らかになった。労働者の生活を守るため、労使での話し合いを進めるとともに、中小企業への支援を国などに求めていきたい」と話している。

賞与を当て込んでローンを組んでいる人はどうなる?

   こうした結果について、ネット上では、こんな嘆息の声があふれている。

「業績を考えれば仕方のないことだ。そして、来年夏のボーナスはさらに厳しくなるのは明白。来年は相当なコロナ不況になってしまうだろう。ボーナスの減額、労働者の解雇増、自殺者の増加など、実体経済の厳しさを反映する数字がこれほど出ているのに、株価は29年ぶりに高値更新。わけがわからない」
「下がった金額で平均がこんな高いのか...。来年の夏はもっとひどくなると思う。ボーナスが出る、出ないではなく、雇用維持されているかどうかの世界になる」
「私の勤務先、今冬は賞与35%カットです。実際それくらいの売上減っているので仕方がない。まだ出るだけマシだと前向きに捉えていますが、生活は大変厳しいのが現実。土日でアルバイトでもして補填したいですが、会社規則で副業禁止なので出来ません。副業にたいして日本はもう少し寛大であるべき」
「一部のコロナが追い風になっている企業を除き...この状況で、ボーナスが払えるだけで、立派な事業者だと思いますね」
「賞与を当て込んでローンを組んでいる人は厳しいでしょうね。来年の夏ぐらいには、築浅の住宅が中古物件市場に大量に出るでしょう。すでに自分の生活圏でもチラホラ見かける。どれも、一昨年ぐらいに前に建った新築。ただでさえ毎月減収で、賞与もなしでは、今なんとか持ち堪えても、来年の夏もなしとなる可能性が高いから、その瞬間詰む人が続出しそうです」
「今までボーナスを貰える会社に勤めたことがなく、昨年入社した会社で今年の夏初めてボーナスが出る予定......でしたが、新型コロナの影響で業績が悪化し夏はボーナスなしでした。ただ、春先に数週間ほど休業したにも関わらず、お給料はほぼ満額保証されたので、不満はありません。もともと、お給料も高くはないですけどね。そして、たぶん冬もボーナスは期待できません...。ボーナスが貰える人たちはそのことに感謝しましょうね」

   この声にはこんなエールの声が。

「(給料が)ほぼ満額保証なんて、とてもいい会社だと思いますよ。頑張ってください」

(福田和郎)

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