医療現場でコロナと戦う人々も3万円ダウン
その中でも注目されるのは、医療現場の最前線でコロナと戦っている人々のボーナスが減ったことだ。病院や診療所、福祉施設などで働く人々で組織している「日本医労連」が6.3%減(2万9688円減)とダウンを余儀なくされた。新型コロナの感染拡大で、病院では専用病棟を設置することが必要になったため、一般患者の受け入れが減り、経営が悪化している医療機関が増えている。そうでなくても過酷な労働を強いられているところに収入減は痛い。
規模別にみると、中小零細の会社・事業所で働く人ほど大幅ダウンの傾向になっている。30~99人の職場で21.2%減(13万9261円減)、100~299人で17.2%減(8万851円減)、300~999人で3.2%減(1万5652円減)といった案配だ。
一方で、大幅に増えている業種もある。前述した1人でも入れる労組の「建交労」の建設業部門(「建交労・建設」)の人々だ。なんと25%アップ(5万円増)だ。建築・土木の人手不足を反映しているようだ。同様に、福祉分野での人手不足解消を目指す待遇改善の動きを反映し、「生協労連・福祉」の人々も22.6%増(7万4211円増)となった。
主要メディアによると、記者会見した全労連の黒澤幸一事務局長は今回の調査結果について、「大変厳しい状況が明らかになった。労働者の生活を守るため、労使での話し合いを進めるとともに、中小企業への支援を国などに求めていきたい」と話している。