「コロナ解雇」7万人突破 ネットで怒りの声!「第3波が来たらどうする」「年明けに失業者急増か」

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   新型コロナウイルスの感染拡大に関連した解雇人数が7万人を超えた。厚生労働省が2020年11月9日に発表した。

   ただし、この数字は氷山の一角だ。専門家は「今後、第3波の襲来を前に大企業が雇用調整を行うため、さらに失業者が増える」と警戒する。主要メディアやネットの声を拾うと――。

  • リストラされてどうしたらよいか(写真はイメージ)
    リストラされてどうしたらよいか(写真はイメージ)
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数字が「氷山の一角」のワケ

   厚生労働省のホームページや11月10日付の主要メディアの報道を総合すると、コロナ関連の解雇や雇い止めの人数(見込みを含む)が11月6日時点で7万242人に達した。

   これは、厚生労働省が今年2月から全国の労働局やハローワークを通じて日々の最新状況を集計した数字の累計だ。9月23日に6万人を超えてから、約1か月半で1万人増えた。6月に累計で2万人を超え、以降は1か月1万人ペースで増加してきた。増加のペースはやや鈍化しているとはいえ、雇用情勢の厳しさが改めて浮き彫りになった。

   ただし、これは一定規模のリストラをする際に企業に義務付けられている、ハローワークへの従業員整理計画の届け出で把握できた人数だ。1つの事業所で1か月以内に30人以上の労働者が離職するケースなどが対象だ。

   もっと小規模のリストラでは届け出義務がないため、実際の人数はもっと多い。一方、解雇後に再就職できた人も集計に含まれており、現在、失職している人がどれだけいるかは不透明だ。

   4~5月は緊急事態宣言に伴う外出自粛などで宿泊業が大きな影響を受けた。夏以降は製造業で解雇人数が増加している。業種別では10月30日時点で、製造業(1万2979人)が最多となった。次いで飲食業(1万445人)や小売業(9378人)、宿泊業(8614人)の順だ。特に、非正規労働者が厳しい状況に置かれ、全体のうち約半数の3万3000人超を非正規労働者が占める。

   11月10日付の朝日新聞「コロナ失職7万人」の取材に応じた三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎・主席研究員は、こう警戒している。

「新型コロナが収束しておらず、大企業の雇用調整の動きもあり、今後も増加リスクはある。感染拡大の『第3波』が押し寄せれば、雇用を維持できない企業が増える可能性がある」

従業員は雇用調整金を「楽しい有給」にしか考えていない

   ネット上では怒りと不安の声があふれている。

   まず多いのが、

「これはまともに辞めさせられた人の数でしょうから、希望退職や実質無理な辞令で辞めさせられた人はもっと多いでしょうね。10万人を突破しているのでは。身内にも該当者がいますが、『別に残ってもよかったのに、自分から辞めたのだから仕方がないみたい』に言われていて、心外です」

   といった声だ。

   第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は、今後はもっと深刻になるとして、こう指摘した。

「確かに、10月末に公表された9月の労働力調査を見ると、失業者は前月から1万人の増加にとどまっていますが、より重要な『非自発的な離職』に限れば6万人増えていることがわかります。性別の失業者を見ても、これまでの女性の増加から男性の増加にシフトしつつあります。やはり背景には、女性の割合が高い非正規雇用のリストラから、男性の割合が高い正規雇用のリストラにシフトしてきていることが推察されます」

   現在、ギリギリでしのいでいる中小零細業者から、悲鳴のような声が相次いでいる。

「ウチは零細企業です。会社は休業にして、従業員には雇用調整金で休んでもらっています。ウチだけが暇ではなく、業界全体が1年中正月レベルの仕事量でした。いま会社が持っているのは、雇用調整金の力が大きいです。これが終われば、倒産かリストラの嵐です。既にリストラを匂わせていますが、従業員は雇用調整金を『楽しい有給』くらいにしか考えていません。雇用調整助成金だって、社会保険料の持ち出しがあるから、ボディーブローのように効いていきます。『今のうちに転職したほうがいい』と言っているのに、『補償のある年内はゆっくり考えます!』。来年はもっと厳しくなるのに、アホか。もう倒産するかも...って、かなり匂わせているのに気づいてよ!」
「中小零細です。雇用調整助成金がなくなったら週休3日制の残業厳禁で給料カットをいつ言うか悩んでいます。社会保険負担が効いてきたので、支払い猶予しました。でも、事業を縮小したら終わってしまうので、雇用調整助成金を貰いながら社員を増員して新しい関連事業を始めました。生き残るには今は社員を駒のように使って選別するしかないです」

「GoToの観光客を運ぶバス運転手がなぜクビに?」

失業者がどんどん増える......(写真はイメージ)
失業者がどんどん増える......(写真はイメージ)

   解雇された人々からは、こんな声が相次いだ。

「観光バス乗務員です。11月中で半数以上が解雇となります。いきなり解雇通知が自宅に届くツラさ。残れる人は乗務が少ないのに、今後はバイト禁止の通告が。完全な雇い止め状態です。残るか辞めるか、どちらがいいのかわからないけど、国のGoTo支援策は、お金持ちの個人のみが旅行できて、団体客をお乗せする私たちにはまったく関係なかった。数年我慢しても、元の仲間との仕事場はなくなるのだなあと、ものすごい失望感です。オリンピックで盛り上がっていたであろう2020年は最悪な年になってしまいました。残念です」
「小さな倉庫のバイトだった。2月のある日言われた。『3月に入ってくる商品が中国からこない。仕事は来週でなくなる』。仲間たちと『元気でなー』『またどこかで会えると良いなー』と手を振って終わり。次の週、引っ越し屋でバイトを始めたが、引っ越す人がいないから2日働いてクビに。そして緊急事態宣言。未だ働けていない」
「私もつい先日、飲食店を廃業しました。飲食店のコロナ対策? そんなには簡単にできないですよ。個人店には限界もあります。運転資金が底をつき、人様に迷惑をかける前に廃業としました。これからどうすれば? 先が見えないです」
「人工透析を受けている障害者です。この春にコロナでの自宅待機を言われ、そのまま退職を勧められ、退職しました。年齢は61歳、再就職は不可能です。障害年金は訳あって受給できません。貯金はなく借金が若干あります。失業保険がなくなればどうするか毎日悩んでいます。国会議員の皆さん、学術会議も大事でしょうが、学術会議の皆さんは立派な大学に務めて収入に困らない。個人個人の救済をもう少し考えてほしいものです」
「製造業です。医療用ロボットのハーネスの製造ラインは在庫調整で受注減。コロナの影響で手術の延期もあるみたいで、影響が出てきています。7、8、9月...そして今月(11月)も休業申請を出して稼働日減です。来月(12月)も申請を出しているのでどうなるか...。12月まではいちおう100%給料を貰えるが、年明けが怖い」

   自ら辞めていった人も少なくない。

「病院勤務のナースですが、コロナで仕事が3倍に増えたのに、給料が変わらないし他のスタッフも辞めて、負担大で眠れなくなりました。地域医療がどうなるかわからないけど、わたしも辞めます。人のために防護服着て頑張ってきたけど、もう限界」

   そして、こんな注意を呼び掛ける人がいた。

「いろいろあって自主退職しました。なんとか再就職できましたが、再就職活動中、ハローワークだけでも日に日に失業者が増えているのがわかります。座る椅子の奪い合い状態です。それを狙って変な業者がハローワークの入口で『仕事直ぐ紹介します』と営業していました。皆さん気を付けて下さい」

   最後にこんな声を紹介したい。

「介護を職にして20年。3K扱いは変わらないけど、食いっぱぐれがなく、コロナ給付金もいただいて、毎月の処遇改善手当てもいただいています。平常時なら、世間から見たら底辺の仕事だけど、今年ほど今の仕事をしていてよかったと思うことはない。航空会社のように偉くないけど、とりあえず正社員で働けて、賞与も出て、年収もソコソコ。まさにこれ、捨てる神あれば拾う神あり。ありがたい」

(福田和郎)

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