ゲストハウス事業のエントラスト合同会社(京都市)は、京都市内で運営しているカプセルホテル「TSUKIMI HOTEL」で、コロナ対策を強化して「新幹線並み」の高機能換気設備を備えたと、2020年11月9日に発表した。
新型コロナウイルスの感染予防策として、すでにホテルではアルコール消毒や検温を導入しているが、共有スペースが多いカプセルタイプの施設では扉や窓を閉め切ることが多くなる冬には換気が重要になると、新たな設備を導入した。
底冷えする冬の京都は換気が難しい
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、厚生労働省などは換気の強化を呼び掛けており、エントラストによると施設内の換気量は従来の1.5倍が求められている。
TSUKIMI HOTELのフリースペースの容積は、新幹線の1車両分に相当し、12分に1回の換気で全体の空気が入れ替わる。新たな設備では、これを上回るレベルでの換気を実現し、コロナ禍での換気適量をクリアしたという。
また、すべてのカプセルに換気扇を設置して、さらに機能を向上させた。
京都市観光協会が2020年10月29日に発表した9月についてのデータ月報によると、日本人の延べ宿泊客数は、前年9月に比べて23.9%減で、8月(48.2%減)より大幅に改善した。
5月には前年同月比94.7%減まで落ち込んだが、GO TOトラベルキャンペーンなどの効果で回復のペースを速めている。
底冷えする冬の京都では、開け放しによる換気が難しい。京都は近年の観光ブームやインバウンドの増加でゲストハウスやカプセルホテルなどの簡易宿所が急増。コロナ対策でもしのぎを削っている。