きょうは、50代後半のYさんです。
「この歳になると、人生得している人・損している人っているもんだなぁと、ひしひしと感じます。まわりでもうまく転職した人や、まわりからもお気の毒って部署に異動した人もいます。私のことですけどね。人生、なんでこんなに違うのだろうと考えた時に、同期から『謝れるかどうか』の違いなんじゃないかと言われました。今からでも、得する人生が送りたいな......」
大ヒットドラマ「半沢直樹」では謝る、「土下座」というイメージがありますが、そこまではする必要はないかと思いますけどね。でも、「謝る」って行為は人生を好転させる効果があると思いますよ。
そもそも、なぜ謝りたくないのか?
「謝りたくない」その理由の一つに、自分に非がないことに対して「何で謝らないといけないんだ」という気持ちがあると思います。Yさんはどうですか?
「明らかに自分が間違っていることは謝りますが、相手に非がある時には認めたくないなぁ」(Yさん)
Yさん。ポイントは、「謝ることは、非を認めることではない」ということです。
たとえば雨の中のアポイントで、訪ねて来てくれた方に向けて「雨の中、わざわざ来ていただいて申し訳ありません」(雨が降ったことは誰のせいでもありませんし、個人ではどうしようもないことですが)と、ワンクッション謝りを入れることで、相手への好感度が上がります。Yさんも、これくらいはやっていますよね。(笑)
また、会社としてのミスが起きた時、仮に部下がミスしてしまったとしても「このたびは部下がミスしてすみませんでした」と謝っても、所詮は人ごとですよね。
自分に直接非がなくても、他人のせいにせず、迷惑をかけてしまったという事実について謝るということです。
人生得している人は、自分の非ではなかったとしても、他人のせいにせずに謝ることができる人だと思います。会社での立場が上がるにつれて、直接自分自身に非がないことも増えていくので、「謝り上手な人ほど、得する」と言えるのかもしれませんね。
成し遂げたい大義の実現のため、大義名分のためと比べると、自分のプライドは小さいものなのでしょう。
自分の過失や弱みを見せられる人は強い
Yさんだけが、損している人生を送っているとは限りません。Yさんが「あの人、得している」と感じた方も、常にプラスの状態ではないはずです。その瞬間、瞬間でマイナスのこともあるかもしれませんし、どん底と感じていることもあるかもしれません。
失敗をした時も謝ることで、「あの時真摯に対応してくれた」と相手への信用力が上がることもあります。マイナスをゼロに戻すだけでなく、プラスにすることができるのです。「あの人、得だ」と思える方は、その力が大きいんだと思います。
立場的に部下に弱みを見せられないとか、取引先に弱みを見せたくないから謝りたくないと考える人もいますが、弱みを見せることは消して悪いことではありません。自分の決断が間違っていたらそれを認め、謝罪をすることで相手への信用力が高まるのです。
これは、自分よりも立場が弱い取引先などに対しても同じです。自分のプライドのためだなんて考えていても、信用力を失ってはただのプライドが高く扱いにくい人になってしまいます。
Yさん、謝ったほうが負けなんて思っていたら、人生がもったいないです。ことわざで「損して、得取れ」ともいいますが、そのとおりのような気がします。
弱みを見せることで、理解者や助けてくれる人も現れると思います。謝ることで、まわりからの信用だけでなく、共感や親近感など、これまでに足りなかったものが手に入るかもしれません。得している人生を送っている人は、まわりからの協力が得られている人だと思います。
ただ、謝ったほうが得だからといって、責任逃れや危機回避のために謝るってことではないですよ。「謝」という漢字は「言葉で心を射る」と書きます。Yさん、相手に伝わることが大切です。ぜひ、奥様と喧嘩した時にも試してみてください。(ひろ子ママ)