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「もっとも風通しがよく、チームワークのある」中央官庁は? 特許庁、経産省、環境省、裁判所... 意外な理由はこれだ!(2)

   「縦割り行政の打破」を掲げる菅義偉政権は、中央省庁の改革に乗り出している。改めて中央省庁の官僚たちの仕事ぶりが問われる形だが、当の職員たちにとってもっとも働きやすい職場はどの省庁だろうか。

   就職・転職のジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワークが、会員ユーザーの口コミ投稿から調査した「官僚にとってもっとも風通しがよく、チームワークのある組織ランキング」を、2020年10月28日に発表した。

  • 裁判所事務官採用の説明会案内(最高裁公式サイトより)
    裁判所事務官採用の説明会案内(最高裁公式サイトより)
  • 裁判所事務官採用の説明会案内(最高裁公式サイトより)

歴史が浅く若い環境省は、出向者が多く多様性が魅力だ

環境省の新卒採用のポスター(同省公式サイトより)
環境省の新卒採用のポスター(同省公式サイトより)

   3位の環境省は、多様性に満ちた職場だ。歴史が浅く若い役所であることが幸いしている。各省庁から多様な人材が出向してきており、立場に関わらず意見しやすい環境のようだ。

「風通しがよく、幹部職員にまで短時間で協議案件をあげることができる。また、若手職員や外部からの出向者、研修員なども分けへだてなく、上の者に対して意見を述べることが比較的容易にできる。新たな発想のもとで、新しい政策の展開を目指すことに熱心な組織といえる」(総合職、男性)
「歴史と伝統がある省ではないので、風通しがかなりよい。上位の役職者とも、比較的フラットな状態で会話、相談できる。また、他省庁やさまざまな自治体、企業、機関から人員を受け入れている。多くのバックグラウンドを持っている職員が在籍していることも、他の省庁と比べて際立った特徴だ」(事務、男性)

裁判所は、裁判官・書記官・調査官・事務官のチーム力で裁く

   4位の裁判所は、裁判官と、裁判官を支える書記官、調査官、事務官が勤務する。もともと残業が少なく、休暇が取りやすいなどワーク・ライフ・バランスに優れた職場だが、1つの事案の裁判を行ううえで、裁判官以下それぞれの役職がチームとなって協働し、助け合う仕組みだ。だから、1位の特許庁の審査官同様、専門職としてお互いを尊重する文化が根付いているようだ。

   こんな評価の声があった。

「司法機関として、国家公務員として、それぞれ職員は、程度の差はあれど自分の仕事に責任と誇りを持って取り組んでいる。裁判所の仕事は、表に見える裁判事務と、『裏方』としての司法行政事務とに大きく分かれている。どちらもトップには裁判官がいて、絶対的な存在だが、一般職である書記官や事務官、家裁調査官の意見にも耳を傾けるし、風通しはよい。チームとして仕事をしようという意識が近年非常に高まっており、それぞれの専門性を生かしてチームで仕事をしている」(家庭裁判所調査官、女性)
「当然ですが、非常に法令遵守意識が高いです。ミスがあってはならない業務も多々ありますが、ミスが起きにくい仕組みが作られています。非常にアナログな風土があり、効率が悪いと感じることもありますが、近年IT化が進むと推測されます。また助け合いの風土もあり、当事者対応で困ったり手続の根拠が分からなかったりした場合でも協力して解決していくことが多いです」(事務官、男性)
「職員同士は風通しよく、仕事のことを相談しやすい環境です。事件部では基本的に裁判官が上にいますが、裁判官も話しやすい人が大半で、体育会系的な序列を感じることはありません」(書記官、女性)
「官僚にとってもっとも風通しがよく、チームワークのある組織ランキング」
「官僚にとってもっとも風通しがよく、チームワークのある組織ランキング」

(福田和郎)