コロナ禍が広がる中で、急速に進んだテレワーク。これからの働き方のスタンダードとなることは間違いありません。テレワークに欠かせない「オンラインツール」ですが、どのオンラインツールを使用すればいいのでしょうか――。
東京都が実施した「テレワーク導入率 緊急調査結果」によれば、従業員30人以上の企業では、3月時点で24.0%だったのが、4月時点では62.7%に増加し、企業規模が大きいほど導入率も高くなる傾向が明らかになりました。今後もテレワークの浸透が予想されます。
「Zoom 1歩先のツボ77」(木村博史著)ソシム
オンラインツールあれこれ、その特徴は?
数多くあるオンラインツールのなかでも、Zoomを使いこなした人が、今後のビジネスの場でイニシアティブを獲得できると、著者の木村博史さんは解説します。オンラインイベントのやり方、ウェビナーのやり方、ミーティングの詳細設定などもZoomで展開可能だと言います。
「Zoomは使いやすいツールです。しかし、大規模ミーティングやウェビナーをやりたいとか、効果的なプレゼンテーションをしたいといった、一歩先の使い方のためには少し突っ込んだ知識が必要です。Zoomはネット上に会議室をつくるようなものだとイメージしてみてください。いろいろな場所から、参加者がネットを介して会議室に集まります。そこで、リアルタイムの音声やビデオ映像、資料などを使ってコミュニケーションが可能になるのです」
と、木村さん。
ここで、主要ツールの特徴を整理してみましょう。
【Google Meet】
Googleが提供。GoogleIDとの連携で、Googleカレンダーから簡単にミーティングを起動できるなどGoogleのサービスとの、連動性のよさに特徴があります。G-Suiteを採用している法人などでも連携性のよさが魅力です。
【Microsoft Teams】
Microsoftが提供。Office 365ツールとの連携機能で資料へのアクセスのよさに特徴があります。また、多くの仕事の現場でMicrosoft Officeが利用されているので、多くの人とのプラットホームの共通性があることも魅力といえます。
【Cisco Webex】
多くの企業で採用されているビデオコミュニケーションツールの代表格です。Cisco提供のため、IPフォンやインターネット環境にCiscoを採用している企業での採用が目立ちます。
【Skype】
一般ユースでのビデオコミュニケーションツールとして定番のサービスです。Skype for Businessなどビジネス分野に特化したサービスも提供してきましたが、Microsoftの提供サービスであるため、Teamsへと移管傾向にあります。
【Facebook】
SNSの代表格ですが、Messengerの機能拡張としてMessengerルームをリリース。テキストコミュニケーションだけでなく、ビデオコミュニケーションでのユーザビリティーを訴求しています。
【LINE】
日本最大のユーザー数のSNSとして、ビジネスユースに限らず個人ユースでのビデオコミュニケーションツールとしての認知度が高いことに特徴があります。今後、ビジネスユースに活用できる機能が追加されるか注目されています。
成功のカギは運用体制にある
会社でCisco社のIPフォンを使っているのであれば、Cisco Webexが、G-Suiteを使っているのであれば、Google Meetとの相性がいいはずです。
ツールの特徴は目まぐるしく変わります。そのため、最新情報にアップデートして、あなたに一番合ったツールを選ぶことが大切です。
急速に広まったオンラインツール。新型コロナウイルスの収束後もテレワークの動きは継続されて、今後も需要が高まると予想されています。オンラインを、どのように使いこなすのか、多くのビジネスパーソンに課題が投げかけられていることは言うまでもありません。
本書では、テレワークを行ううえで知っておきたい事柄や問題点をわかりやすく解説されています。オンラインツール導入のヒントにつながるはずです。(尾藤克之)