「国産黒毛和牛不揃い焼き肉セット」4980円(税別)
「新潟県産の赤いカーネーション10本セット」1300円(税込)
「讃岐『ざるうどん(80グラム×5束)』24箱」2800円(税別)
こんな破格のお値段で、インターネットを通じて消費者に食材や食品を提供する社会貢献型フードシェアリングプラットフォーム「KURADASHI」(クラダシ)。「もったいない」を価値に変える、そのサービスを探ってみた。
コロナ禍で販路を失った廃棄対象商品が続々と......
年間推計約643万トン――。これが、本来食べられるにも関わらず捨てられたフードロスの量だ(農林水産省調べ、2016年度)。おそらく、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴うインバウンド需要の減少や輸出の停滞などによる在庫増が加わる。放っておけば、その量はますます膨らむことになりかねない。
その一方で、消費者のフードロスへの意識は高まっている。「身近でできる社会貢献」としての取り組みが活発化して、冷蔵庫内の食材の食べきりや、日頃の食卓や外食時の食べ残しの削減は「食べきり運動」として広がってきた。
そうしたなか、インターネットを活用して、「安さ」を売りモノにした、食材や食品の「ワケあり」ECサイトの評判がよく、売れ行きも好調という。
「KURADASHI」は、その一つ。賞味期限が切迫した食材や納品期限切れ(3分の1ルール=「おいしく食べられる目安」である賞味期限が、残り3分の1になる前に、卸業者が小売店に納品しなければならない)の食品、季節限定商品など、さまざまな理由で販路を失った食品メーカーなどの廃棄対象商品を買取り、KURADASHIのプラットフォームを活用して、迅速に消費者とマッチングさせることで、廃棄物(フードロス)の発生を大幅に削減する仕組みを整えた。
商品を買った人は、通常の販売価格の最大97%オフというお手頃価格で商品を入手できるだけでなく、さらに商品価格に含まれている社会貢献団体への寄付により、ふだんの買い物で「エシカル消費」(=地球環境や人、社会、地域に配慮した考え方に基づく消費行動)が実現できる。
寄付先は、環境保護や災害対策、医療・福祉サービスの充実など多岐にわたり、商品を買った人が気軽に社会貢献できるのがミソ。ふだんの消費活動に、社会課題解決の支援という付加価値をつけることで、持続可能な社会の実現に貢献する「エコでソーシャルなビジネスモデル」を構築した。
「KURADASHI」を運営するクラダシは、
「サプライチェーンの知見を活かしながら、残賞味期限、残在庫数、市場価格、季節指数などを、さまざまな要因を鑑みながら最適な価格での仕入、販売を実現しています。KURADASHIで販売している商品が食品ロスになっては元も子もないので、商品仕入れには、受注発注パターンを組み入れるなどの独自のメソッドがあります」
と説明する。