米大統領選は、2020年11月3日を控えて共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領の発言に注目が集まる。直近の世論調査では、バイデン氏優位が続いている。米追加経済対策の協議や新型コロナウイルスのワクチン開発の動向、フランスやスペイン、ドイツ、イタリアなど欧州でのコロナ感染の再拡大と、株価に影響を与えそうな材料は目白押し。そうしたなか、日米の企業の決算発表が本格化する。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 国内企業で決算発表が本格化
日経平均株価予想レンジ:2万3200円~2万3800円
2020年10月23日(金)終値 2万3516円59銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、狭いレンジでのもみ合いとなりそうだ。
前週の日経平均株価は、小幅に反発した。ただ、全般は手掛かり材料難のなか、狭いレンジでのもみ合いが続いた。欧州を中心に新型コロナウイルスの感染再拡大が続いており、相場の頭を抑えた。
また、為替相場がドル安・円高に振れていることも嫌気された。ただ、米国の追加経済対策合意に楽観的な見通しが強まったことや、米国の経済指標が市場予想を上回ったことで、反発した。
今週の日経平均株価は、引き続き、手掛かり材料難のなか、狭いレンジでのもみ合いが続きそうだ。米大統領選挙を控えて、方向感に乏しい状態となっている。
新型コロナウイルスの感染再拡大は懸念材料だが、一方で新型コロナウイルスのワクチン開発の進展なども伝わっており、関連動向が注目される。国内企業の決算発表が本格化し始めるため、個別物色が中心に動きになりそうだ。
東京外国為替市場 ドルの上値重く
ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=103円50銭~106円00銭
2020年10月23日(金)終値 1ドル=104円69銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが弱含みもみ合いとなりそうだ。
前週のドル円相場は、ドルが弱含みの展開となった。米国の追加経済対策の早期合意に対する期待感と米国の経済指標が市場予想を上回ったことで、一時1ドル=105円台後半までドル高・円安が進んだが、欧州の新型コロナウイルスの感染再拡大や米国の追加経済対策への期待が後退したことで、リスク回避のドル売りが優勢となり、1ドル=104円台半ばまでドル安・円高が進んだ。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重く、ドル弱含みもみ合いとなりそうだ。米大統領選を控え、方向感が出づらいなか、新型コロナウイルスの感染再拡大と米国の追加経済対策合意の遅れが、ドルの頭を抑えている。
ただ、29日発表の米国の7~9月期GDP(国内総生産)など米国の経済指標が市場予想を上回るようだと、ドルが上振れする可能性もある。
経済指標は、国内では26日に8月の景気動向指数(確報値)、28日に日本銀行の金融政策決定会合(29日まで)、29日に日銀の黒田東彦総裁会会見、日銀展望レポート、10月の消費動向調査、30日に9月の失業率と有効求人倍率、9月の鉱工業生産などが予定されている。
海外では、26日に中国共産党が第19期中央委員会第5回総会の開催、米国の9月新築住宅販売件数、27日に米国の9月耐久財受注、29日に米国の7~9月期GDP、ECB(欧州中央銀行)定例理事会、ECBのラガルド総裁会見、30日に米国の9月の個人所得と個人支出、31日に中国の10月製造業PMI、非製造業PMIなどが予定されている。
(鷲尾香一)