みなさん、こんにちは。馬医金満です。
コロナ禍で、うちで食事をとる人が増えています。外食の機会が減っている一方で、街中ではさまざまな飲食店が「持ち帰りメニュー」を始め、Uber Eatsや出前館などの配達員が自転車やバイクに乗って走り回っています。「食」の変化が起きているようです。
「中食・惣菜市場」の動向を見てみました。
中食・惣菜市場はシュリンク!
富士経済研究所のレポート「中食・惣菜の国内市場調査」(2020年10月16日発表)によると、2020年の中食・惣菜市場(小売ベース)は5兆9204億円の見込み。19年と比べて3.9%減少するとしています。
このレポートは量販店やコンビニエンスストア(CVS)、弁当・惣菜店、テイクアウトすし店、おにぎり専門店、百貨店、駅ナカ・駅ビル、ドラッグストアといったチャネルを対象に中食・惣菜市場を調査。弁当類や米飯類、麺類、ホットデリカ、スナック類、コールドデリカ、サンドイッチ・調理パンといったメニューカテゴリー別の分析などを加えて、今後を予想しています。
市場が減少、シュリンクする理由としては、新型コロナウイルス感染症の流行で消費者の在宅率が高まり、家庭での調理機会が増加していることで、内食に需要を奪われているのが原因だと考えられています。
また、内食との競合以外に、外食店がテイクアウトやデリバリーサービスを開始したことから、外食への需要が流出しており、これらの理由から市場は縮小するとみられます。
つまり、Uber Eatsや出前館などが運んでいる外食店の持ち帰りメニューは、カウントされていないわけです。街中を行き交う自転車やバイクが見かけることが増えたので、きっと好調なんだろうと思っていたのですが、ちょっと意外でした。
食料品スーパーは微増、駅近マイナス......
一方で、在宅率の高まりから生まれた内職需要の増加による食料品や衣料品、住関連を揃えた総合スーパーのほか、食料品専門スーパーを対象とする量販店は、2020年は2兆2300億円で、0.7%ですが増加していることが予想されています。
このほかのチャネルでは、ドラッグストアは中食・惣菜の取り扱いが少ないものの、ワンストップショッピングという点で日用品やグロサリー(レトルト食品や乾物、缶詰、菓子など)の購入とともに、中食・惣菜を「ついで買い」できるという利便性から、前年比8.6%増の126億円に、駅ナカ・駅ビルは新型コロナウイルス感染症の流行で鉄道の利用者数が減少に転じ、特にこれまで増加していた新幹線の利用者が、緊急事態宣言が発出されて減少したために大幅に落ち込み、前年比21.9%減の2638億円が見込まれています。
考えてみると、当たり前ではありますが、食品市場自体はゼロサムでほとんど変化しておらず、その中での個別の業態で違いが起こっているというのはおもしろい発見でした。
今後の新型コロナウイルスの感染拡大の動向によって、その市場規模もまた変わってくるかなと思っているので、引き続き動向に注目したいと思います。
では、また!(馬医金満)