外貨建て保険はダメなのか?
結論から言うと、外貨建て保険はダメではないが、商品性を十分に理解したうえで加入することが大切だ。
日本では長きにわたり低金利時代が続いている。円を銀行に預けていても円は増えない。ところが、米ドルだとコロナショック前だと2%を超えていた。もちろん金利は一定ではないがドルで銀行に預けておくと1年で100ドルが単純計算で102ドルになる計算だ。こう聞くと資産をドルで貯めていくほうが、金利がたくさん付くので良さそうに聞こえるだろう。
販売員も為替レートが加入時と変わらないという前提で、ドルベースでこれだけ資産が増えていくというデータを提示する。ここで注意が必要なのは為替レートが解約時に円高になっていれば円ベースでの評価額は大きく変わるということだ。
まして10年後、20年後の米ドル円のレートがいくらかなんてことはわからない。円高になっているかもしれないし、円安になっているかもしれない。
また、フォロワーさんから教えてもらった情報では、販売員が元本保証だと言っていたようだが、それはあくまでもドルベースの話であって、為替レートの変動によっては元本割れを起こすこともある。
だとすれば、わざわざ高い手数料を払って保険で運用する必要はない。
もう一つ知っておきたいのが、コストが高いということだ。たとえば、とある外貨建て個人年金保険の手数料を書き出すと、以下のようになる。
・販売手数料などの初期費用:一時払い保険料の7%
・保険契約関係費用:資産残高の年率1.85%
・年金管理費用:年金の受取額に対して1.4%
・為替手数料:往復50銭
じつに高い......。販売手数料を例に挙げると、100万円を預けた瞬間に資産価値が93万円になるというものだ。だから販売員は売りたい。もちろんコストが高くても、それだけ運用で増えればユーザーとして納得のいくところではあるが、これらの商品が何か特別な運用をしているわけではなく、自分で外貨を買うなり、投資信託を買うことで似たような運用は今の時代できるようになっている。