紙幣、硬貨とも外国のお金を電子マネーなどに交換できるキオスク端末「ポケットチェンジ」を展開する株式会社ポケットチェンジ(東京都港区)は、東京都武蔵野市のイトーヨーカドー武蔵境店にポケットチェンジを設置、2020年10月20日からサービスの提供を開始した。
イトーヨーカドー武蔵境店でサービス開始
ポケットチェンジはこれまで、各地の空港で端末設置を進めてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により海外渡航が大幅に減少したのを受けて、市中での設置を強化。「タンス外貨」として家庭に眠っている外国通貨の掘り起こしを図って、交換サービスを提供することに力を入れている。
新型コロナウイルスの感染拡大で、業務での出張や旅行などの海外渡航は大幅に減少。日本政府観光局(JNTO)のデータによると、2020年4月の出国日本人数が前年比99.8%減になって以降、毎月99~98%台のマイナス幅が続き、例年ピークの8月も約3万7000人と98.2%減だった。
ポケットチェンジの利用件数も全体で、感染拡大前の2月を「100」とすると、50%以下に落ち込んでいた。ところが、緊急事態宣言が発令された4月ごろから、市中のスーパーマーケットなど商業施設にある端末の利用件数が回復に反転。商業施設の設置端末だけに限ると、2月を「100」とする割合で利用件数は、4月の約50%から8月には150%になった。これにより、全体の利用件数も8月は73%に回復した。
コロナ禍のなか、電子マネーなどの非接触型決済のニーズが高まったことを背景に、ポケットチェンジを利用すれば、海外旅行後に「タンス外貨」となって行き先を失っていた外国のお金が使えることがわかり、市中で端末の利用が高まったとみられる。
ポケットチェンジは2016年6月にサービスの提供を開始。端末のポケットチェンジに海外旅行で余った外国コインや外国紙幣を端末に投入すると、その場で電子マネーやギフトコードに交換でき、訪日外国人の余った日本円に対応。その利便性が好評で成長した。
コロナ禍にあって、2020年6月にイトーヨーカドー大森店(東京都大田区)に、10月にNewDaysエキュートエディション有楽町京橋口(東京都千代田区)、アリオ亀有店(東京都葛飾区)などで、新たに端末を設置しており、市中への設置に注力している。