喜びは美しい作品との出会い
「これは頑張って手に入れました」という、自慢の一品を見せてもらった。3枚を使って描かれているのは筋骨隆々な鷺池平九郎が川岸の大蛇と闘う瞬間をダイナミックな構図で描いたものだ。吹き付ける雨風の強さを感じる描写や細かに光る顔料など、1枚にあらゆる技術が詰め込まれており、原さんも唸る美しさだという。
「作者の楊斎延一(ようさい・のぶかず)は、(歌川)国芳や(安藤)広重のようなメジャーな絵師ではないが、このような良い作品を残している。こういった父(会長)も私も初めて見るような、珍しい極美品に出会えた時は1番喜びを感じます」
原さんは、こういった良い品を取り揃える原書房でありたいと話す。
「お客さんの要望に、高い質で幅広く応えたいです。名品なら原書房に!と思っていただけるように」
と、まっすぐ語った。