神保町を拠点に世界とつながる浮世絵の専門店(Vol.18 原書房)

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喜びは美しい作品との出会い

   「これは頑張って手に入れました」という、自慢の一品を見せてもらった。3枚を使って描かれているのは筋骨隆々な鷺池平九郎が川岸の大蛇と闘う瞬間をダイナミックな構図で描いたものだ。吹き付ける雨風の強さを感じる描写や細かに光る顔料など、1枚にあらゆる技術が詰め込まれており、原さんも唸る美しさだという。

「作者の楊斎延一(ようさい・のぶかず)は、(歌川)国芳や(安藤)広重のようなメジャーな絵師ではないが、このような良い作品を残している。こういった父(会長)も私も初めて見るような、珍しい極美品に出会えた時は1番喜びを感じます」

   原さんは、こういった良い品を取り揃える原書房でありたいと話す。

「お客さんの要望に、高い質で幅広く応えたいです。名品なら原書房に!と思っていただけるように」

と、まっすぐ語った。

「鷺池平九郎狭谷間池蝮蝎を退治ス」楊斎延一
「鷺池平九郎狭谷間池蝮蝎を退治ス」楊斎延一
なかざわ とも
なかざわ とも
イラストレーター
2016年3月学習院大学文学部卒。セツモードセミナーを経て桑沢デザイン研究所に入学、18年3月卒業。趣味は、宝塚歌劇団、落語、深夜ラジオ、旅行。学生時代より神保町に惹かれ、現在フリーペーパー「おさんぽ神保町」の表紙や本文のイラストを手掛けている。1994年、東京都生まれ。
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