2020年3月に大学や高校などを卒業して就職を予定していた人のうち、内定を取り消された人は、9月末時点で79の事業所の201人にのぼることが、厚生労働省の調べでわかった。8月末から、3事業所、27人増加した。10月20日に発表した。
また、入社時期が延期(繰下げ)となったり、自宅待機になったりした学生も、91の事業所の1291人にのぼる。8月末から、4事業所、81人増えた。
「倒産」「経営悪化」を理由に160人が取り消し
厚労省によると、内定取り消しとなった201人のうち、高校生は42人、短大生や専修学校生を含む大学生は159人にのぼった。このうち、他の企業などに就職することが決まった学生は102人いる。
企業規模をみると、従業員300人以上が13事業所で67人、100~299人規模が56人、99人以下の規模で78人。中小企業での取り消しが多い。
また、内定取り消しの理由は「企業倒産」が5事業所の8人、「経営の悪化」は56事業所の152人、「別会社への移行」は3事業所の24人、「その他」が15事業所の17人だった。多くが新型コロナウイルスの感染拡大に伴う取り消しとみられ、コロナ禍の雇用への影響が改めて浮き彫りとなった。
この調査にネットには、
「これは内定取り消されてハローワークに支援を申し出た学生の数値だよね。内定取り消されて、何も行動を起こしてないとか、とりあえずフリーターとかやってる人数はカウントされない。全部の数は多分すごいんだろうね」
「あすは我が身。自分も来年どうなるかさえわからない」
「保険料の値上げや増税に物価の値上がりと不況のオンパレード。そこにコロナが加わって......。どこも人を雇えなくなる」
「奨学金をどうやって返済するか、悩んでいる。就職は決まらないのに、返済方法を提出してくれと、通達が来て...。こっちも返済考えて欲しいと思います」
「新卒一括採用は見直す必要があります。卒業する年度によって就職に差がでるのは不公平です」
と、怨嗟の声であふれている。
一方、政府は田村厚生労働大臣が10月18日、福島県富岡町で記者団の取材に、「来年度の就職活動の真っ只中だが、ハローワークなどを通じて3月のギリギリまで就職できるようしっかり支援したい」と話した。そのうえで「まずは4月の採用をお願いしたいが、就職できなかった場合には、国の指針で、3年間は新卒者扱いとして採用のチャンスをつくってもらいたい」と、企業に訴えた。
なお、厚労省の調査は全国のハローワークを通じて実施。内定の取消しや入社時期の繰下げる場合は、企業がハローワークに通知する必要があり、それらの通知内容を集計した。