歩行と組み合わせた「近距離モビリティ」という発想
WHILLが「フレイル」予防のヒントをまとめたアイデア集「ソーシャル・エイジ向上アイデア」によると、「『誰かと・地域と・社会とつながり続ける』ことが、フレイル予防になる」(東京大学の飯島勝矢教授)という。
寄せられたアイデアには、たとえば「毎シーズン見つけた発見を『かんたん俳句』で紹介!」や「『変化日記』をつけて街探検を楽しもう」、「テイクアウトで馴染みのお店を応援! お外で友達とワイワイ」「見守りボランティアでいつもの横断歩道を『あいさつ道路』に!」――などを提案している。
外の空気を吸いながら家族や友人と共に食事をしたり、これまでの良い思い出にもう一度出会いに行ってみたり、人の役に立つことで生きがいを改めて見つけてみたり、「自分の身体が老いてきても、さまざまな手段を活用して、家の外の多くの人やモノと触れ合いましょう」と、飯島教授は説いている。
また、WHILLの代表取締役兼CEO(経営最高責任者)杉江理氏は、
「WHILLは、歩行と組み合わせながら、社会との関わりを持つためにモビリティを活用するとの発想のもとに生まれた『近距離モビリティ』という新しい移動手段です。近距離モビリティでシニアの方々の行動範囲を広げることで、その人自身の可能性をも広げるものであると信じています」
と話す。
小回りが利き、屋内外の移動もスムーズな近距離の移動アシストを上手に活用することで、シニアが外出しやすく日常生活の幅が広がり、新たな発見や出会いを後押しする。
従来の、車いすのネガティブなイメージを一新するため、自動車ディーラーとECで販売する試みもユニークだ。
なお、調査はネオマーケティングが運営するアイリサーチで、全国の65歳以上の男女および、歩きづらさを感じている親を持つ30代~50代の男女を対象に、2020年8月3日~6日に実施。有効回答数は、65歳以上男女600人(平均年齢74.2歳)と歩きづらさを感じている親を持つ30代~50代男女300人(平均44.9歳、男性149人、女性151人)。