じつは、テレワークのすそ野は広がっていなかった!? そんな調査結果が明らかになった。
日本生産性本部が2020年10月5日~7日に実施した新型コロナウイルスに関する会社員の意識調査によると、テレワークの実施率は18.9%だった。5月の調査では31.5%で、これに比べると大きく低下した。
テレワーク実施率、5月31.5% → 10月は18.9%
テレワークの実施率は、5月に31.5%だったものが、7月の調査では20.2%まで急落。その後はほぼ横バイで推移していることから、多くの職種で、緊急事態宣言が解除された後から7月にかけて、実施率が大きく低下したことを表している。
「専門的・技術的な仕事」に従事する人のテレワーク実施率は、5月調査で51.9%だったが、7月の34.6%を経て10月は22.8%と、多くの人が「出社」に復したことが示された。
テレワークの大多数を占める在宅勤務について、仕事の効率アップと満足度を質問したところ、10月は50.53%が「効率が上がった」(「効率が上がった」と「やや上がった」の合計)とし、68.7%が「満足」(「満足している」と「どちらかと言えば満足している」の合計)と回答。7月調査とほとんど変わらない結果だが、5月の調査では「効率が上がった」(同)が33.8%、「満足」(同)は57.0%だった。
テレワークの課題についても、3回のいずれでも質問(複数回答)。「Wi-Fiなど、通信環境の整備」「部屋、机、椅子、照明など物理的環境の整備」が3回を通じて上位に挙がっており解決策は進んでいないようだ。
5月の調査では、「職場に行かないと閲覧できない資料・データのネット上での共有化」について48.8%が課題として指摘したが、10月の調査では30.8%。日本生産性本部では「統計的有意に減少し、システム担当者が課題解決に尽力した跡がうかがえる」と述べている。