過去65年間に米大統領選は17回、その時の株価は?
今回は、米国を代表する株価指数であるS&P 500指数を調査対象とした。なお、株価はYahoo! Finance(米国サイト)から取得した。
調査期間は1952年から2016年までの65年間で、このうち米大統領選のあった年度は17回だった。
すると、興味深いデータが判明した。
株価指数の月間平均騰落率は、大統領選がある年がプラス1.26%に対して、選挙がない年はプラス1.63%と、選挙がある年のほうが高いわけではないということがわかった。
しかし、興味深いのは11月の株価上昇率の高さだ。月間に1.63%上昇したということは、年率に換算すると20%近くも上昇したということである。すなわち、11月は株価が上昇しやすいということだ。
また、大統領選のある年は、例年と比べると株価が荒れやすいのかもしれない。というのも、数値のバラつき具合を示す標準偏差が、選挙のない年よりも大きくなっているためだ。
11月は米国で第4木曜日に感謝祭と呼ばれるイベントがあり、小売店の好調な売れ行きがみられる。また、感謝祭の翌日は「ブラック・フライデー」と呼ばれている。この語源については歴史的な経緯があるものの、このフレーズの「ブラック」は、現代においては小売店の黒字のことを指している。
企業の好決算が想定されることもあってか、この時期は株価が上昇しやすいのかもしれない。そして、浮動株ベースで世界の時価総額のおよそ半分を占める米国株式市場の動向は、世界に影響を与える。むろん、日本もその例外ではない。
長期投資であれば、売買のタイミングはさほど重要ではないのかもしれない。しかし、買った株はできれば初めから含み益が出てほしいものだ。季節性の株価アノマリーを、参考にしてみてはどうだろう。(ブラックスワン)