今度は島忠を子会社化 M&Aで成長するDCMHD【馬医金満のマネー通信】

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大手がより多くのシェアを握る構図

   DCMHDによる島忠の完全子会社化も、M&Aで規模拡大を図るホームセンター業界の流れの一つと言えそうです。

   DCMHDの売上高は2020年2月期で4373億円。島忠は1535億円(20年8月期)。単純合算で、売上高は5908億円となり、カインズ(非上場)の4410億円(20年2月期)を大きく引き離して業界のトップに立つことになります。

   そもそも、DCMHDは2006年に北海道のホーマック(札幌市)、中部地方のカーマ(刈谷市)、四国のダイキ(松山市)の中堅3社が経営統合したのが発足のきっかけです。その後も、2015年にサンワドー(現サンワ=青森市)や16年のくろがねや(甲府市)を完全子会社化するなどM&A路線で規模を拡大してきました。

   一方、島忠は1893年、桐ダンスの産地である埼玉県春日部市で「島村箪笥製造所」を創業したのが発祥です。1960年以降に家具小売りに、さらに78年にホームセンター事業に進出しました。店舗は、東京や埼玉、神奈川の都市部にほぼ集中しています。

   ホームセンターは大規模な店舗を擁するので、都市部ではその土地を用意するには多額の費用がかかります。メディアの報道によると、今回のM&Aについて島忠の岡野恭明社長は「都市部が商圏の島忠と、地方が中心のDCMとは地域的な補完関係を高めることができる」と強調していましたが、DCMHDにとっては首都圏で自前で出店していくよりも、島忠を傘下に収めるほうがコストを抑えられると判断したようです。

   ホームセンター業界は地域色が強い業態ということもあり、今までは大手チェーンから地場企業まで、多くがひしめき合う状況が続いてきました。しかし、店舗が過剰な状態で各ホームセンターの競争が激しくなれば、大手企業がより多くのシェアを握るという構図が加速していき、さらなる淘汰・再編は避けられないと考えます。

   では、また!(馬医金満)

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