有望なドライバーもいたのに......
とはいえ、ホンダのF1撤退表明は急だった。10月2日にはモータースポーツ専門サイトのTopNews.JPで、F2選手権で活躍している20歳の角田裕毅選手を、ホンダが2021年にF1デビューさせる可能性を模索していると報じられていた。
角田選手は、ホンダの支援を受け、ホンダがエンジンを供給しているレッドブルの育成ドライバーになっている。そのわずか数時間後に、事実上の白紙になったわけだ。
ファンにとっても撤退は寝耳に水。ネットではホンダの発表に、
「こういう(角田裕毅)選手がいるのに、ホンダが撤退するタイミングは理解できない...」
との恨み節もみられる。
ただ、ホンダはこれまでにも撤退と復活を繰り返してきた。
初参戦後の第1期は1968年を最後に撤退。米国で深刻化した大気汚染を食い止めるための大気清浄法(マスキー法)を受け、排気ガス規制のクリアに専念することを理由に82年まで13年間活動を休止した。
1983年から、活動を再開して第2期がスタート。93年に再び撤退し、このときの休止は99年まで続いた。2000年に三度の参戦を果たしたが、この第3期がリーマン・ショックによる景気悪化で継続が困難になったことは記憶に新しい。