瀬戸大也選手(26)の不倫報道が世界中に広がっています。日本水泳連盟が「スポーツマンシップに違反した」として年内活動停止処分を発表すると、たちまち数か国語に訳されて世界中で報じられました!
試しに「seto(瀬戸)」でグーグル検索してみたら、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、中国語と、ありとあらゆる言語の記事がヒット。スポーツ専門メディアだけではなく、米ワシントンポスト紙や英国BBC放送といった欧米の「老舗メディア」もこの話題を取り上げたことに驚きましたが、海外が注目したのは意外にも「あの場所」でした。
沈むか、それとも浮上するか? 大きすぎる代償!
週刊誌で不倫問題が報じられた瀬戸選手。200メートル、400メートル個人メドレー世界チャンピオンの瀬戸選手は、日本の競泳選手で唯一、2021年に延期された東京五輪の出場が内定していました。
すでに競泳日本代表の主将は辞退していましたが、今年中の公式大会や強化合宿、海外遠征への参加は見送りに。追い討ちをかけるように、所属先のANAホールディングスからはスポンサーシップ契約を、味の素からはCM出演契約を打ち切られるなど、経済的にも大打撃を受けたと報じられています。
この「不倫ニュース」を海外メディアはどう報じたのか、見出しを追ってみましょう。
Daiya Seto suspended by Japan Swimming federation after having affair
(瀬戸大也選手が、不倫問題で日本水泳連盟から活動停止処分を受けた:英国BBC放送)
suspend:停止する
have affair:関係を持つ、浮気する
BBCの見出しはシンプルに、必要最低限のことを伝えています。「have affair」(浮気する)という表現も、どことなく淡々とした印象を与えます。
A Japanese Olympic swimmer was caught having an affair. He's now suspended for the rest of 2020
(日本の五輪水泳選手の不倫が発覚し、2020年中の活動停止処分を受けた:米ワシントンポスト紙)
BBCと比べてワシントンポスト紙の見出しは単語を省略していないので、わかりやすいですね。平易な英語の見本のようです。
BBCやワシントンポスト紙と比べて、パンチが効いていたのが英タブロイド紙「サン」の見出しです。ゴシップネタが得意な同紙の「プロ根性」を感じさせます。
SINK OR SWIM? World champion swimmer Daiya Seto axed as Tokyo Olympics captain for Japan after having extra-marital affair
(沈むか? それとも浮かび上がるか? 水泳世界チャンピオンの瀬戸大也選手が、不倫が発覚して東京五輪日本代表の主将を首になった)
axed:首になる、斧を振るわれる
extra-marital affair:夫婦外の行為、不倫
いやはや、それにしても「あっぱれ」な一文です。「swim」には「泳ぐ」の他に「浮く」という意味があることにひっかけて、「Sink or Swim?」(このまま不倫スキャンダルで沈むか? それとも浮上するか?)とひねりを効かせています。
さらに、「不倫」を表す英語も「have affair」よりも「extra-marital affair」(婚外行為)のほうが、ドロドロ感を感じさせます。言葉を選び抜いていますね。
スポーツ専門サイトは、「瀬戸選手の過去2年間の成長ぶりは素晴らしかった」というベテラン水泳記者のコメントを紹介しつつ、「He will be eligible for next year's Olympics」(来年のオリンピックの出場権利がある)ことを強調していて、まるでエールを贈っているかのような読後感でした。