本格的な台風シーズンが到来したが、近年、豪雨により道路が冠水したりして、水没したクルマに閉じ込められて死亡する事故が増えている。
そこで国民生活センターは2020年10月12日、緊急脱出ハンマーを使って脱出する動画を公開、注意を呼びかけた。
また、各自動車メーカーの緊急脱出ハンマーやシートベルトカッターの商品テストを行った結果のリポートも発表。参考にしてほしいとしている。
ガラスを破砕する前に落ち着いてシートベルトを切断する
自動車で冠水した道路を走るのは非常に危険だ。自動車が一定の深さまで水没してしまうと恐ろしいことが起こる。国民生活センターによると、具体的には――。
(1)水深が車両の床面を超えると、エンジン、電気装置等に不具合が発生する。電気系統が故障してパワーウインドーが動かなくなる。また、水が排気管をふさぎ、車内に有毒ガスが侵入してくる。
(2)水深がドアの高さの半分を超えると、水圧でドアを内側から開けることが不可能になる。パワーウインドーも動かないので、内側から緊急脱出ハンマーを使ってガラスを破砕することない。
そこで、動画を見よう――。
(1)まず落ち着くことだ。ガラスを破砕する前にシートベルトを外すことが大切。シートベルトに拘束された状態でドアを開けたり、窓ガラスを破砕したりするとかえって危険だ。水没して車体が傾くと、シートベルトがロックして外れないことがある。そこで、シートベルトカッターでシートベルトを切断する。緊急脱出ハンマーにはシートベルトカッターが付いたものが多い。そのために、緊急脱出ハンマーはつねに手の届く範囲に設置しておくことだ=写真1。