「好き」を味方に努力する
会社の中でステップアップしようと、証券商品の知識を頭に叩き込むなど、必死に勉強して頑張り続けるA佳さん。でも壁は厚く、途方に暮れていました。
そんななか、A佳さんは原点に帰ります。「証券商品の勉強をしながら思ったんです。これほど努力するなら、せめて好きなことで努力したい」、と。
それに気づいたA佳さんは、原点である好きな英語を仕事にしようと思い、英語塾のフランチャイズ経営を思い立ちました。若い頃に、後先考えずに会社を辞めてしまった苦い経験から、今回は時間をかけてフランチャイズ経営について調べ、有給休暇を取るなどして実際に英語塾で仕事をさせてもらいました。
そして1年後。A佳さんは貯めたお金で英語塾のフランチャイズ権を買い、高齢のために引退した人の既存教室を引き継ぎ、会社を辞めました。今はそこを英語塾兼自宅にして、子どもたちや、旅行の英語を覚えたいシニア層の方々に英語を教えているそうです。
「私の英語力は、大手企業のグローバル部門では使い物にならなかったのですが、やっぱり英語が好きだし、皆さんに英語の楽しさを教えたいなと思ったんです。すごく遠回りしましたけど、今は英語を教える仕事が本当に楽しくて幸せです。初めて海外旅行したシニアの方が、『英語が通じました!』って、メッセージをくださったり。収入は会社員時代の7割くらいに減りましたが、生活はできていますし、少しの貯金もできています」
A佳さんは、笑顔でこう言います。
「私もいろいろと遠回りしましたけど、一周まわって、今はやっぱり『好きなことを仕事にしたほうが良いよ』って、自信を持って言えます。好きなことなら、努力が楽しいんです」
もう、おわかりですね。
どのような仕事に就いても、努力は必要です。再就職してからのA佳さんは、会社の中でステップアップするために、さまざまな努力をしました。そうした苦労した経験を経て、たどり着いた「好きなことを仕事にしたほうが良い」という言葉を、あなたはどのように感じますか?
【きょうの格言】やっぱり「好きなことを仕事にする」のが最適解。
それでは、また次回。(丸ノ内ミカ)