みなさん、こんにちは。丸ノ内ミカです。
「好きなことを仕事にしよう」というのは、もはやあらゆるところで言い尽くされていて、食傷ぎみに思われる読者の方も多いのではないでしょうか。
頭ではわかっていても、
「好きなことを仕事にできる人などごくわずか」
「いつまでも夢みたいなことを言うのは恥ずかしい」
「そもそも、肝心の"好きなこと"がわからないから、追い詰められているようで苦しくなる」
など、さまざまな反応があります。
「今やれることをやれば良い」ではダメなのか?
私も「好きなことを仕事にしよう」という言葉に対しては、「仕事はご縁の部分も大きいので、必ずしも好きなことでなくても、今やれることをやれば良いのではないか」と思っていました。
しかし、丸ノ内サバイバー女子会のメンバー、A佳さんのお話をうかがって、「好きなことを仕事にしよう」というのは、甘い考えから出たフワフワした言葉ではなく、意外にも、苦労の果てにたどり着いた真実の言葉のように思えたのです。
A佳さんが就職したのは、まだバブル崩壊後の不況の影響が色濃く残る1990年代後半。
「運良くそこそこの会社に就職できたんです。でもあの時代って、長引く不況のせいで、私たち若手のあいだで、価値観の変化が起きてたと思うんです。友達と集まるたびに、『良い会社に入るのが良い人生ってわけではないよね』って盛り上がって、会社を数年で辞めるのがちょっとしたブームになってたんです。そんななか、一番親しかった友達が会社を辞めて、ワーキングホリデーで海外に行ったんです。それを見て、良いなあと思ってしまって。あまり深い考えもないまま、私も28歳で会社を辞めたんです」
友達に影響を受けて会社を辞めてしまったA佳さん。その後ワーキングホリデーでオーストラリアに行ったものの、期待していたような劇的な出来事はなく、結局ホリデーはホリデーで終わってしまったと言います。
「海外に行けば何かあるかも、って思ってしまったんですね。でも実際には何もなかった」