70年前の長編小説「ペスト」が改めて読まれている理由【尾藤克之のオススメ】

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新型コロナウイルスから学ぶべきこと

   「自分一人だけが苦しい」。しばし私たちはそう思い、それによって不平や不満が生まれてしまいます。しかし、コロナ禍は教えてくれました。苦しみは、誰もがともにする苦しみであり、誰もがその苦しみの原因になっていることを。決して「誰かが自分を苦しめている」のではありません。「私たちが私たちを苦しめている」のです。

   これからのわたしたちは、優しさを持った自由な人間であり続けましょう。そして、これからは、「これまではそうだったあり方」を見直していきましょう。たとえば、大量生産大量廃棄。便利最高、早く安く最高、効率重視のコマーシャリズム、事なかれ主義等々......。この正当化を断固拒否するのではなく、ましてや孤軍奮闘するのではなく、優しさというつながりの中で見直していくのです。

   それが、「人間としての行動」「人間としての選択」なのだと考えます。私たちは生まれながらに優しさが備わっています。そんな私たちが「自由な人間」であることを望み、「自由な人間」として、共に戦い、未来を選択していく先に、平安があるはずです。

   今、カミュの「ペスト」が売れています。人間としての自由、行動、選択とは何か。オラン市で原因不明の熱病患者が発生し、人々を恐怖に陥れます。市は閉鎖され、解決策が見つからない中、立ち上がった人々は何をしたのか。感染症との戦いがひとごとでない今、70年前のこの長編小説が改めて読まれている理由は何か。知りたいとは思いませんか。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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