「複利」でコツコツ稼いだ大成功者は「投資の神様」だった!【投資の基本を知る その2】(小田切尚登)

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複利効果を得るために必要なことは?

重要なのは長期で歯を食いしばって続けること
重要なのは長期で歯を食いしばって続けること

   まずは、長生きすることだ。バフェット氏は10歳から資産運用をしてきたということだが、結局は50歳以降に増やしたものが大半を占めている。複利効果のメリットを十分に得るためには、長生きすることが前提となる。そのためにはお金よりも前に、健康に留意して生活することが絶対条件だ。たとえあなたがバフェット氏と同様の才覚があったとしても若くして死んだら何もならない。

   仮にサラリーマンが55歳になって余裕ができたということで、1000万円の資金を元手に投資を始めるとする。バフェット氏と同様に90歳まで1円も使わずに、ずうっと運用を続けるというやり方は、ふつうの人には現実的ではないだろう。

   そこでたとえば75歳まで20年間運用するというのはどうか? 仮に年5%のリターンを得られれば、複利で3倍近くの2785万円となる。しかし、それでは今一つだと思うのならば、40年間年5%で増やせたとしたら7倍(7039万円)にまで増えることになる。

   とはいえ、55歳から95歳までの40年間というのは非現実的な話なので、55歳でなく35歳から前倒しして始めることにすれば、75歳までの40年間頑張る、という話になる。これであれば、現実的だろう。早く果実を取ろうと思うのなら、その分早く投資を始めるしかないということだ。

   そして重要なのは、途中で中断することなく、歯を食いしばってでも続けていくこと。90歳まで続けろとは言わないが、少なくとも10年単位で続けないと複利のメリットを十全には得ることはできない。

   相場は上がることもあれば下がることもある。それに一喜一憂せず、平静な心を保って続けていくこと。じつはこれが一番大事であり、かつ難しいことかもしれない。それができない人には長期的な投資は無理である。

   この点については、後にさらに書いていきたいと思う。(小田切尚登)

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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