「GO TO トラベル」キャンペーンに加えて「Go To イート」も始まり、政府の支援策がそろい踏みとなった。新しい生活様式を支えるための、新型コロナを抑えるサービスやツールも多様化が進んでいる。
大正年間に創業した「蓼科親湯温泉」(茅野市)など長野県内3か所で温泉旅館を経営する合資会社 親湯温泉(長野県茅野市)は、大浴場利用時の密状態を避けるため、3施設のすべてで二酸化炭素(CO2)濃度を測定する新しい3密確認システムを導入した。2020年10月6日の発表。
浴場で「3密」を確認可能に
親湯温泉では、新型コロナによる感染拡大の当初から、「独自の衛生・消毒プログラム」により対策を徹底してを取り組んできた。その中で、お客らには「3密」を避けた施設利用を呼び掛けてきたが、明確な基準がない。そのうえ、大浴場では従業員による確認が必要なこともあり、合理化を模索しながら、CO2濃度で3密状態を判定できるシステムの導入を決めた。
新しく大浴場に導入したシステムは、CO2濃度を測る「換気モニター」。人が密集するほどCO2濃度が上昇する原理を利用し、大浴場の密集状態を測る目的に応用した。コロナ禍で厚生労働省が発表したCO2濃度による換気推奨数値をもとに状態を3段階に設定し、誰でもわかりやすいよう、モニターで色に分けて表示するようにした。
「緑」は「999ppm以下」を示し「換気良好=密集なし」、「黄」は「1000~1499ppm」で「換気推奨=やや密集している」、「赤」は「1500ppm以上」で「換気が必要=密集している」――の3段階で示す。
「換気モニター」を導入したのは、蓼科親湯温泉のほか、「神秘なる諏訪湖に心癒される宿 上諏訪温泉しんゆ」、「寛ぎの諏訪の湯宿 萃 sui-諏訪湖」(いずれも、諏訪市)の3か所。
「動く陰圧室」高気圧酸素カプセルの技術応用
感染症の感染者隔離の方法として有効とされ、コロナ禍でも注目された陰圧室(空気感染隔離室=室内で空気感染する可能性のある細菌が外部に流出しないように気圧を低くしてある病室のこと)。外来の待合室や診察室、処置室などに導入している病院もある。高気圧酸素カプセルなどの開発や製造・販売の株式会社レブセル(横浜市)は、新型コロナ対策製品としてユニット式の陰圧室を発売。販売店の募集も始めた。2020年10月7日の発表。
製品名は、「陰圧ルーム東雲(しののめ)」。「闇の世界から光の世界へと移行する、夜明け前の茜空」を意味する古語からとったという。屋内用、屋外用、移動用の3タイプを用意。屋内用はサイズ別に2種類がある。
「東雲」は、前室、主室や必要な装備を持った一体型の陰圧ルーム。空きスペースに容易に設置でき、改修工事が不要。新幹線や航空機の部材に使われているテクセルボードを使用し「超軽量、高強度」を実現した。2021年からは海外での発売を予定している。