50代行員、「一度減った給料、元に戻るか不安」
この制度について、行員はどう受け止めているのか。
みずほ銀行で東京23区内の私鉄駅前にある支店長の男性(50代)は「体のいいリストラでは」と懐疑的だ。
「近年は店舗の統廃合などの業務効率化で、人が余っているなと感じます。私たちくらいの年代になると、世間的には高い給料をいただいていますので、それに見合った成果を出せていない『おじさん』たちの人件費を減らしたいのでしょうね。リストラが強化される前に手に職を付けるため、(この制度への応募を)慎重に考えてはみますが、一度減った給料が元に戻るか、不安ですね」
この支店長のような見方について、みずほFGの広報担当者は「あくまで本人の希望に基づくものであり、会社側から週休3日・4日を指示することはできませんので、リストラにはあたりません」と強調する。
支店長の同僚の中には、子育て中の行員や親の介護で休みがちな人もおり、今回の制度が明らかになってから、さっそく男性に相談があったという。
「育児や介護のための休職だけでなく、仕事と両立させる柔軟な働き方もできることで、喜ぶ行員は多いでしょうね。ただし(制度適用で)昇級・昇格が遅くなるのかは気になりますが...」
一方、みずほ銀行本店勤務の課長職の男性(40代)は「人件費を人単位ではなく時間単位で削りつつ、行員の自己実現を促すうまいやり方だ」と感心する。
この男性は、制度を研究しつつ、大学時代の同級生が立ち上げたスタートアップ企業に参画することを検討し始めたという。
「私は出世が早い方だと思いますが、役員レベルまで行けるかというと、きっと無理でしょう。であれば、メガバンク行員という安定を保ちつつ、『第2の人生』を視野にチャレンジしてみたいと思っています。通用しないな、と思えばまた週休2日制に戻すこともできるそうですから。もちろん外での経験で得られた知見は『本業』に還元するつもりです」