うまくいけば大きく稼げる「運用」手段の「誤解」【投資の基本を知る その1】(小田切尚登)

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   人がお金を稼ぐには4つの方法しかないという。(1)サラリーマンになる(2)自分で事業を起こす(3)モノを売買する(安く買って高く売る)(4)そして運用する――である。このうち、最初の3つはシンプルだと思うが、問題は最後の「運用」である。これが成功するかどうかで人生が大きく変わる。うまくいけば、他のどの稼ぎ方よりも大きく稼ぐことができる可能性がある。

   しかし、日本では「運用」についての十分な理解が広がっておらず、何か怖いもののように思っている人が多い。そのため、本来ならば得られる果実をみすみす逃している人が少なからずいる。

   そこで、これから何回かにわたって投資の基本について書いていきたいと思う。

  • 「一攫千金」は運用ではない!?
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雪だるま式に増える「複利」は最重要ポイント

   まず、初回は「複利」計算について。複利というのはその名のとおり、利息に利息がついていく、ということである。雪だるま式あるいはネズミ算式に増えていくと言っても良い。わかりきったことだと思う方も多いだろうが、私の経営大学院の「金融論」の授業での経験からすると、頭で計算式は記憶していたとしても、どれだけ効果があるかについて実感としてつかんでいる人は非常に少ない。

   これを押さえているかどうかが、運用の重要ポイントの一つ。いや、最重要と言って良いことなのである。

   たとえば、100万円に5%の利息がつくとすると、1年後には105万円だが、2年後には単利計算の110万円に比べて、少し増えて110万2500円となる。10年後には150万円ではなく162万8894円となり、単利よりも12万円以上増える。これではたいしたことがないと思われるかもしれない。

   じつは、複利の効果は運用期間が長くなっていくと加速度的に増えていくところが重要なのである。そこで長い期間で運用した例を考えてみたい。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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