「コロナ時代」のニーズに応えた焼き肉店とは
緊急事態宣言中の外出自粛要請で、「内食」や「中食」が主流となるなか、焼き肉屋は数少ない「お店でないと本格的なものは味わえない」業態の一つと言えよう。
高級店や格安店など数ある焼き肉店のスタイルでも、コロナ禍で勢いがあるのが「1人焼き肉」だ。
たとえば1人1台の無煙ロースターで心置きなく1人焼き肉が楽しめる「焼肉ライク」。宣言解除後も、ほぼ毎月新規店舗を開店している。繁華街にある店でも、食事時は行列していることが多い。
東京・新橋にある店に週最低2回は行くという会社員の女性(38)は、
「1人では行きにくかった焼き肉店を気兼ねなく楽しめるコンセプトが好きです。あと、2分30秒で客席すべての空気が入れ替わる換気システムを導入しているので安心です」
と話す。
郊外を中心に全国展開する「焼肉きんぐ」も好調だ。こちらも6月以降、新規開店が続く。売りは食べ放題だが、従来のビュッフェスタイルの食べ放題店とは異なり、客席に座りながらタッチパネルでオーダーすることで、肉や料理が運ばれてくる。ビュッフェ台周辺の「密」が避けられ、従業員との接触も少ないスタイルなのが受け入れられているようだ。
「焼肉ライク」や「焼肉きんぐ」は、同じ焼き肉チェーンでも、「コロナ時代」のニーズに合致するスタイルを、コロナ前から導入していたことが、結果的にユーザーに選ばれたようだ。